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UPDATE6: ECB理事会後のトリシェ総裁の発言要旨
2008年6月5日 / 13:20 / 9年後

UPDATE6: ECB理事会後のトリシェ総裁の発言要旨

 [フランクフルト 5日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は5日の理事会で、主要政策金利である定例買いオペの最低応札金利を4.00%に据え置いた。理事会後の記者会見でのトリシェ総裁発言要旨は以下のとおり。

 <利上げの可能性>

 すべての情報やリスク分析などすべてを踏まえた上で、利上げの場合もあると多くが考えた。多くが利上げの場合もあると考えたが、その後、一部は必ずしもそうではないと考えた。

 状況を慎重に分析した結果、インフレ期待抑制を確実にするため、次回の会合で政策金利の小幅な変更を決定する可能性があると考えた。この可能性を排除できないと考えている。

 確かだとは言っていない。可能性があると述べている。

 <コンセンサスで決定>

 理事会メンバー個人ではなく理事会全体での決定が重要だ。われわれはあらゆる意見交換を行い、最終的に全会一致で金利据え置きを決定した。高度の警戒(heightened alertness)を要する状態というのが理事会が現在の状況を説明するために用いた言葉だ。こうした状態にあることを示すすべての情報を考慮に入れた。

 そのため、状況を非常に注意深く見極めていく。次回の理事会で小幅な利上げを実施することを排除しない。これは確かではない。可能性がある。

 状況を見極め、理事会で決定を下していく。われわれは決して予断は持たず、金利決定時点で入手可能なすべての情報に基づき、常に状況を的確に分析している。

 <どうしてこの日の利上げではないのか>

 用心の度合いを高める必要があり、動向を非常に注意深く監視する必要があるからだ。

 どの時点においても、インフレリスクに対処するため適切と判断する決定を行う。現時点で、きょうの決定は良い決定であると考えている。次回の会合に関して、われわれがどう考えているかを伝えるのは、おそらくわれわれの責務だと思っている。ただ次回会合の決定は、その時点でのすべての情報を基に行う。

 <二次的影響>

 賃金に関して、広範な二次的影響はないだろう。理事会の中期的な政策に関する見解としては、物価に対するリスクは明らかに上向きで、一段と高まった。こうしたリスクには、エネルギー・食品価格の上昇、管理価格や間接税の引き上げなどがある。

 二次的影響に関して、非常に用心しなければならない。われわれのメッセージは明確だ。現在のような状況下では敵は二次的影響であるということに、非常に意識的でなければならない。

 中・長期的インフレ期待を物価安定にそった水準に依然しっかりと抑制させることが重要だ。公共・民間部門の関係者は全て、生産性動向を考慮する責務を果たさなければならない。依然として多くの経済分野で高水準の失業と価格競争が存在する。

 <ECBは注意深く監視>

 理事会はすべての動向を非常に注意深く監視している(monitoring very closely)。高度の警戒(heightened alertness)を要する事態となっている。適切な時期に断固たる行動を取ることで二次的影響を回避し、中期的な物価安定リスクが実現しないことを確実にしていく。

 物価安定と一致するよう中・長期的インフレ期待を確実に抑制することがわれわれの強い決意だ。

 <予想上回る第1・四半期の成長率>

 2008年第1・四半期の実質域内総生産(GDP)の伸びは全期比プラス0.8%となり、予想を大幅に上回った。

 この強い伸びは一時的要因を一部反映した。とりわけ欧州の多くの地域で例年にない暖冬になったことで、建設が活発化したようだ。

 第1・四半期の高い成長率は第2・四半期に一部相殺される可能性がある。

  

 <世界経済の成長>

 緩やかになりつつある世界経済の伸びは、今後も新興市場国経済の成長が続くことにより、底堅く推移することが予想される。これはユーロ圏の外需を支えるだろう。ファンダメンタルズは引き続き健全で、ユーロ圏は大幅な不均衡には見舞われていない。

 <スタッフ予想>

 ユーロ圏のスタッフ予想では、欧州連合基準の消費者物価指数(HICP)について、08年は3.2─3.6%、09年が1.8─3.0%と予想している。3月時点での予想と比較して、08・09年のインフレ予想は明らかに高水準となっており、これは主に原油・食品価格の上昇やサービスセクターにおけるインフレ圧力の高まりを反映している。

 こうした状況で、スタッフ予想は条件付きという特質を頭に入れることが重要だ。

 <成長見通し・インフレ>

 私が今述べた前年比ベースの成長率は、今回特別な注意を持って解釈される必要がある。前年比の成長率は、2009年が08年よりも鈍くなるかもしれないことを示している。しかしこれは、四半期ベースでは実質GDPの伸びは08年に底値をつけ、その後は緩やかに上向くという予想を覆い隠している。

 スタッフ予想が意味する中心となる動きについて誤った結論を出さないために、こうした予想に留意することが重要だ。

 理事会の見解では、成長をめぐる不透明感は依然高く、下向きリスクのほうが大きい。とりわけ、金融市場の混乱が実体経済へ予想以上にマイナスの影響を与える可能性が引き続き存在する。さらに、食品・エネルギー価格の予期せぬ一段の上昇が、消費や投資に打撃を与えるという下向きリスクもある。

 <物価安定リスクが高まった>

 中期的な物価安定リスクが一段と高まった。主にエネルギー・食品価格の大幅な上昇を背景に、インフレ率は2007年秋から著しく上昇した。

 欧州連合基準の消費者物価指数(HICP)で見たインフレは、これまでの予想よりも長期間に及び、高水準にとどまることが予想される。中期的な物価安定への上振れリスクはまた、マネーと信用が非常に力強く伸びていることや、現時点で銀行貸し出しが著しくひっ迫していないことにより確認された。

 同時に、ユーロ圏の経済ファンダメンタルズは健全だ。

 <インフレ>

 保護主義圧力の台頭や世界的不均衡による無秩序な動向によってもリスクが発生する。

 物価動向に関しては、前年比ベースの欧州連合基準の消費者物価指数(HICP)は過去7カ月3%を上回っている。5月の速報値は3.6%だった。これは、過去数カ月の世界的なエネルギー・食品価格の急上昇を主因とするユーロ圏における現在の根強いインフレ上方圧力を裏付けている。

 今後の見通しは、商品先物価格を踏まえると、HICPは当面3%を上回る水準で推移し、09年も緩やかな鈍化にとどまる可能性が高い。

 現在、高水準のインフレが長期化する状況にあり、予想より長引く可能性が高い。

 <米ドル>

 米ドルに関して言えることは、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を常に高く評価しているということのみだ。とりわけ、米国の視点から適切と考えることを述べた2日の発言を評価している。

 市場はこの発言を重要視した。これまでに繰り返してきたように、強いドルが米国の利益にかなうという事実に関するFRB議長やポールソン米財務長官の発言をわたしは常に重要と考えている。

原文参照番号[nECBNEWS](3000Xtraをご利用の場合、配信後24時間以上経過した記事でも380日以内であれば[ID:nECBNEWS]でご覧になれます。なお、契約の内容によっては、原文がご覧いただけない場合もあります)

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