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〔クロスマーケットアイ〕サブプライム懸念背景に円買い、円債は水野発言で買い優勢に
2007年8月30日 / 07:02 / 10年後

〔クロスマーケットアイ〕サブプライム懸念背景に円買い、円債は水野発言で買い優勢に

<東京市場 30日>

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日経平均   |国債先物9月限 | 国債286回債  |ドル/円(15:39)  |

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  16153.82円 | 135.81円  |  1.565%    | 115.61/62円   |

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+140.99円 | +0.13円  | -0.015%    | 116.17/21円   |

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注:日経平均、国債先物は大引け、現物の価格は午後3時の値。

下段は前営業日終値比。為替は前営業日NY終値。

 [東京 30日 ロイター] 30日の東京市場は、午後に入って日経平均.N225

上げ幅を縮小する一方、国債先物9月限<0#2JGB:>は前日比プラス圏で推移し、前日に株

価が大幅反発した米国市場とは違った展開になっている。サブプライムローン(信用度の

低い借り手向け住宅ローン)問題への懸念が残る中で、日銀の水野温氏審議委員がこれま

でのタカ派的なスタンスからみると弱気の発言をし、円債市場では9月利上げに否定的な

見方が広がった。他方、外為市場ではサブプライム懸念を背景に、円が対ドルJPY=だけ

でなく、対ユーロEURJPY=や対豪ドルAUDJPY=、対NZドルNZDJPY=でも買われた。

 <株式市場で海外勢は見送り姿勢>

 30日の日経平均は一時、前日比200円を超す上昇幅となった。ただ、先物はシカゴ

日経平均先物<0#2NK:>の清算値1万6375円に届かず、市場関係者からは日本株の反発

力の弱さを指摘する声が多く出た。

 最大の要因は海外勢が見送り姿勢を続けていることだ。「海外勢はいすゞ(7202.T)など

の個別銘柄に散発的な買いを入れているものの、大口のバスケット買いを控えている。売

買高は盛り上がらず、上値の重い印象だ」(大手証券エクイティ部)という。

 <豪系ファンドが米破産法の適用申請>

 海外勢の手控えにサブプライム問題の波及を懸念する声が依然、マーケットには多い。

ある国内証券の関係者は「豪系ヘッジファンドが米国で破産法の適用を申請した。これが

地合いを悪くさせている」と話す。

 オーストラリアのべーシス・キャピタルが運営するヘッジファンド、ベーシス・イール

ド・アルファ・ファンドが29日、米国の破産法に基づく債権者からの保護を申請した。

サブプライムローン関連資産の損失が膨らんだためという。

 

 三菱UFJ投信・ストラテジストの石金淳氏は「市場心理を暗くしているサブプライム

ローン問題は、すぐには払しょくできない。今回はリスク分散ならぬリスクばらまきで、

問題の根が深い」と指摘する。そのうえで「経験則から9月以降の日本株を予想すると、

直近の1万8300円の水準から3000円下落し、15%以上超えた下げの後は、高値

を取るまでに約半年かかるとみている。需給のリズムやテクニカル分析では、9月にはい

ったん落ち着くかもしれないが、10月・11月に再び厳しい局面となる可能性がある。

円高が誘発する公算も大きい。その局面では、870円下げた8月17日の安値を割るか

もしれない」と予想している。

 他方、野村証券・ストラテジストの藤田貴一氏は「海外勢が収縮しているわけではな

い。待機資金は潤沢だが、9月中旬ごろに出始める企業業績の上方修正を見極めようとし

ている。投資タイミングの端境期であり、日本株を特に悲観的にみているわけではない」

と話す。

 <水野審議委員が米利下げに言及、日銀利上げ見送り長期化の思惑も>

 円債市場は午前の取引で、前日の米債安や株高を嫌気して売りが先行。業者などから2

年債入札に備えた持ち高調整売りが中期ゾーンなどに出たことも上値を重くした。「先物

には前日に買っていた海外勢などから売りが出ていた」(邦銀)という。

 ただ、信用収縮懸念が残っているとの見方が市場では多く、「9月半ばに予定されてい

る米投資銀行の決算までは、ひと山、ふた山あるのではないか。海外勢はなかなか先物を

売り持ちのポジションにできず、買い持ちポジションをいったん解いたところでは買い戻

しも入りやすい」(国内金融機関)といい、下値は限定的だった。国内勢の動きは鈍かっ

たが、国内勢の一角から5年ゾーンなどに平準買いが入っていたとの指摘もあった。

 ただ、水野審議委員の講演内容が伝わると、日銀金融政策の変更にやや慎重な姿勢が示

されたとして、国債先物は前引けにかけて買い戻しが入り、下げ幅を縮小。入札への警戒

感が薄れた午後にはプラス圏に転じ、次第に上げ幅を拡大した。

 ある邦銀関係者は「水野審議委員が、米利下げがあった場合には前提が変わると発言し

た。仮に9月18日までに米利下げがあれば、日銀はしばらく動けなくなる。会見では強

気の面も見せたが、日銀の利上げ見送りが9月だけでなく、しばらく続くとの見方が増え

る材料になっている」と指摘する。

 市場筋によると、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)のレートでみた

利上げの可能性は、9月が10%半ば─20%後半程度、10月1回目が30%半ば─

40%後半程度、10月2回目が40%半ば─50%後半程度まで低下している。

 <サブプライム懸念が円買いに>

 外為市場では、午後に入って円が主要通貨に対して買われる展開となった。ドル/円は

115円前半に下落し、ユーロ/円が157円前半、豪ドル/円が93円後半、NZドル

/円が80円後半にそれぞれ下げた。

 市場では「豪ヘッジファンドの破産法適用申請のニュースなどがあり、サブプライム懸

念がくすぶっている」(国内金融機関)との声が出ている。市場筋によると、海外の大手

金融機関がサブプライム問題で損失を計上する可能性があるとの観測が出て、午後の円買

いの材料の1つにされた面があったという。また、朝方のドル売り/円買い、ユーロ売り

/円買いの注文はアジア系金融機関からまとまった規模で出ていたという。

 ある国内系金融機関の関係者は「ドル/円の116円台や、116円割れの水準には輸

出筋の厚いドル売り注文が並び、116円割れでは実際に輸出筋のドル売りでかなり水準

を押し下げた。サブプライム問題がくすぶっているうちは、ドルの上値が重い展開が続き

そうだ」と述べていた。

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