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〔クロスマーケットアイ〕4─6月期GDPマイナス予測で株売り、米緊急対策は織り込み済み
2007年9月3日 / 05:35 / 10年後

〔クロスマーケットアイ〕4─6月期GDPマイナス予測で株売り、米緊急対策は織り込み済み

<東京市場 3日>

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日経平均   |国債先物9月限 | 国債286回債  |ドル/円(14:00)  |

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  16458.05円 | 135.31円  |  1.620%    | 115.87/92円   |

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-111.04円 | -0.04円  | +0.015%    | 115.76/78円   |

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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替は前営業日NY終値。

 [東京 3日 ロイター] 3日の東京市場では、4─6月期法人企業統計で設備投資

が予想以上に落ち込み、国内総生産(GDP)がマイナス成長になる、との見方が広がり、

前週末に急上昇した反動で株式に戻り売りや利食い売りが出た。ブッシュ米大統領が31

日に発表したサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題への緊急

対策は織り込み済み、とされ、逆に、一部で期待されていた米連邦準備理事会(FRB)

による緊急利下げがなかったことで失望感も出ていた。さらに、補助金の不正受給問題で

遠藤武彦農相が事実上、更迭され、安倍内閣発足以来、3人連続となった農相の交代も買

い手控え要因になった。ただ、3日の米国市場がレーバーデーで休場のため、海外からは

目立った資金の動きはみられず、休暇明けの海外勢の動きが注目されている。

 <海外勢のフロー乏しい>

 東京株式市場はさえない展開となり、日経平均は一時100円超下げた。朝方発表され

た4─6月期法人企業統計で設備投資が前年比4.9%減と市場予想(11.5%増)を

大きく下回りムードを損ねた。「製造業は依然強く過度に悲観する必要はないが、一番い

い時期は過ぎた可能性がある」(国内証券投資情報部)という。

 4─6月期のGDP2次速報について、農林中金総合研究所・主任研究員、南武志氏は

「1次速報が前期比プラス0.1%とのりしろがなく、設備投資が1次速報ほど伸びてい

ない可能性が十分あるため、前期比マイナスになる可能性も否定できない」と話している。

 三井住友アセットマネジメント・チーフエコノミスト、宅森昭吉氏も「設備投資は悪い

数字だった。特に非製造業の2ケタマイナスはショックだ。注目されるGDP2次速報だ

が、設備投資は1次速報の前期比プラス1.2%からマイナス0.1%程度に下方修正さ

れそうだ」とし、GDP2次速報は前期比マイナス0.0%、年率でマイナス0.1%程

度を予想している。

 市場筋によると、週初かつ米国がレーバーデーで休日ということもあり、海外勢のフロ

ーは乏しかったという。前場の東証1部売買代金は1兆0331億円と薄商いだった。

 ブッシュ米大統領が31日に発表したサブプライムローン問題への対応策については一

部報道をもとに前週末時点ですでに織り込まれていたほか「政策効果という点ではそれほ

ど大きくないとみており、リップサービス的な色彩が強い」(みずほインベスターズ証券

調査部副部長の川崎恵次郎氏)とされ反応は限定的だった。

 <需給が下値支える円債市場>

 円債市場は小幅安。4日の10年債入札に備えてヘッジ(損失回避)や持ち高調整を目

的にした売りが先行する場面もあったが、日経平均株価の下落や良好な需給環境が下支え

ている。

 米大統領が発表したサブプライムローン問題の緊急対策については、借り手を救済でき

ても、流動性懸念や景気への波及といった市場の不安を解消することにならないとして、

債券市場でも、即効性に懐疑的な見方が出ている。

 大和総研・債券ストラテジストの奥原健夫氏は「対応策は、借り手の救済策に重きを置

いており、延滞率の上昇を緩和させる効果があるかもしれないが、マーケットが求めてい

る資産担保証券の買い入れに言及しなかったことで、資産担保証券の需給を改善させる効

果に乏しい。流動性懸念は簡単に収束するものではないため、株買いも長続きしないので

はないか」とみる。

 むしろ、市場は9月国債大量償還などの需給面に関心が向いている、という。3日の米

国市場は休場のため、海外勢の目立ったフローは見られなかった。

 <円売り材料に反応しきれず>

 為替市場では、サブプライム問題を背景とした信用収縮懸念が依然くすぶり続ける中で、

4─6月期の法人企業統計や株安を手掛かりとして、リスク回避の円買い戻しが入りやす

い地合いとなっている。日本経済のマイナス成長の見通しにもかかわらず、素直に円売り

にならないのは、リスク回避姿勢の強さの表れ、との指摘もあった。

 前週末の米政府による救援策については、発表直後は楽観的なムードが広がったものの、

その後は信用危機が世界経済の足かせとなるとの見方も浮上している。

 ある信託銀の為替担当者は「緊急利下げなど踏み込んだ内容を期待していただけに、米

国政府による救援策についての失望感で前週末からクロス円が売られた。今後の焦点は、

実需筋がどのようにリスクを取るかだ。米国政府が一段踏み込んだ内容の救援策を打ち出

せば、輸出企業がやや長期をにらみつつ116円半ば付近でドル売りオーダーを入れてく

るだろう。一方、輸入企業もオプション絡みのドル買いを入れる可能性もある」と話して

いる。

 <尾を引く農相辞任問題>

 一方、今後じわりとボディーブローのように効いてくる可能性があるとの声が出ていた

のが、遠藤農相の辞任だ。株式市場では「小泉政権時の郵政解散・自民大勝以来、海外勢

は構造改革が進むという前提で日本株を買っていた。安倍政権の求心力の低下、バラ撒き

政治への懸念など海外勢は冷ややかに見ている」(三菱UFJ証券・投資情報部長の藤戸

則弘氏)との声が出ている。

 大和総研の奥原氏は「組閣後1週間での閣僚辞任で、党内外から安倍首相の任命責任や

指導力を問う声とともに、支持率低下で距離を置く動きが出てくるのではないか。政治混

乱に拍車がかかれば、日銀の利上げ時期にも影響を与える可能性がある。株売り/債券買

いの要因」と指摘している。

 みずほ証券チーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏は「支持率低下に響くのは必至。

民主党の小沢代表は早期に解散に追い込む決意を表明している。臨時国会が緊迫すれば、

株価にネガティブ、債券にポジティブといった中期的要因となろう」と話す。

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