[東京 29日 ロイター] 日本郵船(9101.T)は29日、2008年3月期営業利益予想を上方修正し、前年同期比73.4%増の1820億円(従来予想は1530億円)とした。ロイターエスティメーツによる主要アナリスト10人の予測平均値1638億円を上回った。燃料油価格が高騰している一方で、ドライバルク市況が前回の想定を大幅に上回り高水準で推移しているほか、定期船の荷動きが堅調なため、通期でも海運業部門の業績が堅調と見込んでいる。
売上高の予想は、前年同期比17.4%増の2兆5400億円、経常利益は同67.4%増の1800億円、当期純利益は同70.7%増の1110億円にそれぞれ上方修正した。実現すれば全項目で過去最高を更新する。業績の向上に合わせ、配当も従来予想の18円に6円上積みの24円とした。
会見した五十嵐誠常務は「ドライバルクの運賃市況は6月以降、一本調子で上昇している。少なくとも下期も高い市況が続くだろう」との見通しを示した。米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題の北米向けコンテナへの影響については「住宅着工に関連した家具などで減少しているが、家電などが増えて補い、全体では予想通り」との認識を示した。ドル/円レートは従来想定の115円を113円へと円高に見直し、燃油価格も従来の1トンあたり370ドルを430ドルに想定を引き上げた。五十嵐常務は「為替や燃油など下期計画の前提は保守的に見た。市況の前提も保守的といえるのではないか」と述べた。
ただ、航空貨物子会社の日本貨物航空(NCA)は、市況低迷などの影響で業績予想を下方修正しており、五十嵐常務は「航空運送事業が最大の懸案事項であることに変わりない」との認識を述べた。日本郵船は9月、NCAに対して設備資金や運転資金向けとして400億円を追加出資している。
一方、同日発表した2007年9月中間営業利益は、前年同期比92.4%増の907億円だった。燃料油価格の高騰があったが、船隊規模拡大による取扱量の増加のほか、コンテナ船の運賃修復が進んだ。ドライバルク市況も高水準で推移した。このため定期船事業と不定期専用船事業を合わせた海運業部門が増収となり、利益を押し上げた。
燃油価格の高騰が24億円の営業利益押し下げ要因となったが、海運市況の変動による353億円、コスト削減による64億円、円安による44億円などの利益押し上げ効果があった。
売上高は前年同期比19.3%増の1兆2567億円、経常利益は同90.5%増の932億円、中間純利益は同86.1%増の550億円だった。
この結果、売上高営業利益率は前年同期の4.5%から7.2%へと、2.7ポイント上昇した。