[東京 8日 ロイター] キリンホールディングス(2503.T)は8日、オーストラリアの乳製品・果汁飲料会社であるナショナルフーズの全株式取得を決定したと発表した。フィリピンの食品大手サンミゲル(SMC.PS)が保有する全株式を2007年12月末までに取得し、連結子会社とする。買収総額は合計で28億豪ドル(約2940億円、有利子負債約2000億円を含む)を予定している。
のれん代は約300億円、ナショナルフーズ所有の無形固定資産は約2300億円で合計2600億円。2008年度から年間130億円の償却を開始する。
会見した加藤壹康社長は「100年の歴史の中で最大規模の買収だ」とし、「収益性と成長性が期待できる会社で、食と健康の領域で相互補完効果が極めて高い」と述べた。
また、全株取得の理由については「ダイナミックなスピード、規模で両社の強みを活かすには、100%取得が目的にかなう」と説明した。
豪州市場での事業規模拡大や、キリンHDが46.1%の株式を持つ豪ビール会社ライオンネイサンとの資源相互活用などでシナジー効果を見込んでいる。
キリンHDは、長期経営計画の中で、2015年の売上高(酒税抜き)や営業利益に占める海外比率を30%にする目標を掲げている。06年は、売上高に占める海外比率が18%、営業利益が27%になっており、海外比率を高める方向性にも合致する。
同計画では、2015年の売上高3兆円(酒税込み)を目指している。こうした目標に向け、今後のM&A(合併・買収)についても「企業価値を高める有力な案件があれば、事業分野を問わず、前向きに検討したい」と意欲を示した。
今回の買収により、2009年の売上高は2兆6500億円(酒税込み)、営業利益は1900億円となり、中期目標で掲げる売上高2兆1500億円、営業利益1500億円以上を上回る。
ナショナルフーズは、2006年度の売上高が1932億円、営業利益が179億円。オーストラリア市場では、牛乳・乳飲料事業やヨーグルト・デザート事業、果汁飲料などでシェア1位。製造拠点はオーストラリアの19工場など計24工場を持つ。