水野 文也記者
<東京市場・1日>
為替・市況動向 | 経常利益の増減率 |
新興国需要等で ┿─────┬─────┬─────┬─────┬─────┿
恩恵受けた業種 | 通期予想 | 前期実績 |上半期実績|進ちょく率|下半期予想|
化学<0#CHE.T> | 18.0| 6.7| 21.0| 49.5| 15.1|
機械<0#MAC.T> | 22.4| 11.5| 33.0| 49.7| 13.5|
電気機器<0#ELC.T> | 24.6| 8.4| 22.6| 41.0| 26.1|
輸送機器<0#TEQ.T> | 9.2| 12.4| 24.7| 50.6| ─3.2|
海運<0#SHP.T> | 66.1| 22.0| 97.8| 51.1| 42.3|
*新光総合研究所の算出データをもとに作成。
*単位は%、進ちょく率は通期予想に対する経常利益の進ちょく状況。
水野 文也記者
[東京 1日 ロイター] 発表シーズン前半のヤマ場を通過した3月期決算企業の中
間決算は、市場の事前予想を上回る好調な結果となっている。31日までの開示率は全体
の4分の1ながらハイテクをはじめ主要企業の多くが発表を終えた中、増益企業は6割近
くに達したほか、通期の見通しは想定値を上回った。一方、下半期について保守的な予想
が多いとの指摘もあり、業績のさらなる上振れ期待が高まっている。
新光総合研究所がまとめた2008年3月期中間期決算集計(東証1部)によると、3
1日までに決算内容を開示した310社の通期見通しの経常利益増減率は6.7%増と事
前予想4.1%を2.6ポイント上回った。中間期の増減率は9.8%増と、事前予想の
3.0%を6.8%ポイント上回っている。通期見通しに対する中間期実績の進ちょく率
も51.1%と見劣りする水準ではない。
中間期の前年実績との比較では、57.1%にあたる177社が増益、42.9%の1
33社が減益。期初予想との比較では、上方修正101社(全体比32.6%)、据え置
き138社(同44.5%)、下方修正71社(同22.9%)となっている。
業種別にみると、新興国向けの輸出拡大、市況上昇、円安などが寄与した海運、機械、
電気機器などの業種の健闘が目立つ。企業からは「住宅問題の影響がある北米は厳しいが
、中国ほか新興国の需要拡大が全体をけん引している」(コマツ(6301.T))、「船舶の絶
対数が少ないうえ、需要は拡大しており、空前と言える市況に支えられている」
(商船三井(9104.T))などの指摘があり、新興国の経済成長、それに伴う市況上昇に支え
られた様子がうかがえる。
また「価格が厳しい電機関係はさえないが、オールドエコノミーの分野が収益をリード
している」(住友重機械(6302.T))との声もあり、重厚長大型産業が優位に立っている状
況だ。
他方、為替相場については、上半期こそ円安が寄与したものの「足元で為替が円高に向
かっているが、中間期の上方修正値を守りたい」(三菱電機(6503.T))といった声も出て
いるなど、下半期以降の円高を警戒する企業が少なくない。
円高のほか、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に伴う北
米需要の落ち込みリスク、急騰した市況の反動安懸念などから、下半期について保守的な
予想を立てる企業が少なくない。
この点について市場関係者の間からは「海運、石油など市況産業の中には、足元の相場
からかなり保守的な前提で予想を出している企業もある。それを踏まえれば見通しの上振
れ余地は大きいのではないか」(生保系投信運用担当者)といった見方が出ていた。