[東京 2日 ロイター] 川崎重工業(7012.T)は2日、2008年3月期の通期業績予想を上方修正し、連結営業利益を前年比4.1%増の720億円(従来予想は同10.3%減の620億円)に引き上げるとともに、連結受注高についても期初予想を1800億円上回る1兆6200億円(前年実績1兆5926億円)に上方修正した。船舶事業や航空宇宙事業の拡大が、収益・受注高のいずれも寄与する。
修正した営業利益は、ロイターエスティメーツによる主要アナリスト12人の予測平均値742億円を下回った。
これまで赤字を余儀なくされていた船舶部門の採算が改善する一方、ボーイング社「B777」向けビジネスが順調に推移している。
また、船舶同様に前年まで赤字だったプラント・環境・鉄構部門が黒字に転換する見通し。赤字案件だったプラントについては前年までに損失を計上するなどコスト管理を徹底、採算面に注意を払っている。二輪車事業に関しては、北米は落ち込んでいるものの、欧州、国内の増加でカバーした。
全体的に鋼材などの資材価格上昇や、制度変更に伴う減価償却費の負担増加などコスト圧迫要因はあるものの、これらは売上高の拡大や円安効果で吸収している。
他方、受注面では船舶が引き続きエネルギー船などの需要がおう盛なほか、航空機も「B777」分担製造品が好調で、受注高は船舶が期初予想の1400億円から2100億円(前年実績1356億円)に、航空宇宙が前年よりマイナスになりながらも同1900億円から2000億円(同2556億円)に見通しを増額した。
さらに、期初は大幅な落ち込みが予想されていた車両部門は、未確定だった北米の大型プロジェクトを獲得したことで、期初予想の1800億円から2500億円(前年実績2691億円)に引き上げた。
地域別では、建機類など一部が北米で不振なものの、その分を東南アジアや中近東の伸びでカバーしている。中国をはじめ世界の全地域で受注は好調という。
今後については車両事業が、先進国から途上国までプロジェクトが増加しているなど急激な変化が見込まれるという。同社の寺崎正俊副社長は「まだ具体的には動いていないが、ベトナム、インド、ロシア、トルコなど車両の需要はおう盛で、それなりの対応を考えている」と述べた。