December 21, 2007 / 5:55 AM / 10 years ago

再送:〔焦点〕 日立<6501.T>がHDD再建でファンドと交渉継続、業況改善で結論長期化も

 *5段落目を追加し、最終段落に21日終値を加筆しました。

 浜田健太郎記者、江本恵美記者 

 

 [東京 21日 ロイター] 日立製作所(6501.T)の経営課題であるハードディスクドライブ(HDD)事業の再建策作りが長期化している。日立は今年9月、全額出資する米HDD事業子会社の日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)の売却も視野に米投資ファンドとの接触を開始した。現在は日立がHGSTへの過半数の出資を維持しつつ、ファンドの出資を受ける案を軸に検討が進められている。足元ではHDD事業の市況が改善し、HGSTの業績も回復基調にあり、最終的な結論を出す前にさらに時間がかかることも予想される。

 日立は2002年12月に米IBM(IBM.N)から2000億円超でHDD事業を買収し、03年1月にHGSTを設立した。ただ、歩留り向上に苦しむなど生産効率の悪さや価格下落の影響で業績は4年連続で営業赤字。10月末時点の見通しでは07年度も3億米ドル(現在の為替レートで約340億円)の赤字見込みとなっている。

 <10月に投資ファンドが再建案の提案>

 

 09年度に営業利益率5%(06年度実績1.7%、07年度見込み2.7%)の目標を掲げた日立は、経営陣がHDD事業の抜本的な見直しに着手。9月にはTPG[TPG.UL]、カーライル・グループ[CYL.UL]、KKR[KKR.UL]、シルバーレイクなどの米投資ファンドと接触を始めた。

 金融筋によると、各ファンドは10月中にはHGSTの再建案を一通り提示した。シルバーレイクは米ファンドのベイン・キャピタルと組んだほか、その他のファンドも連携する動きを見せている。日立側は「競争環境への対応の仕方などについて提案を聞いた」(経営幹部)という。

 複数の関係者によると、日立は現在、シルバーレイクから詳しい提案を聞いているが、優先交渉権などの独占的な契約を締結する状況には至っていない。ある関係者は「再建のために何ができるか、日立がシルバーレイクに対して検討するための一定の期間を与えた」と述べた。関係者は、一定の期間などの具体的な内容について明言を避けている。

 ただ、日立はファンドから出資を受ける場合でも、HGSTへの過半数の出資は維持する姿勢だ。「あくまで日立(単独)でやっていくことを基本に、(ファンド側の)提案のほうがベーターなら(出資も)受け入れる」(同)としている。関係筋によると、HGST株の評価額をめぐりファンド側と日立との隔たりもあるという。

 通常、企業再建を手掛ける投資ファンドは過半数の出資にこだわる。赤字続きの事業の再建には大なたをふるう必要があり、そのためには、過半数の出資を確保して主導的に再建を進めるのが定石と言える。しかし、今回はファンド側も過半数未満の出資を前提に交渉を続けているもようだ。

 ある金融筋は「HDD事業にマイノリティーでも出資した実績を作れば、将来の日立関連のM&A(合併・買収)に関与できるとの思惑があるのではないか」と、交渉に臨むファンド側の意図を読む。日立は日本有数のコングロマリット(複合企業体)だが、事業の選択と集中が遅れているとされるだけに、今後は様々なM&A案件が出るとの期待感がファンド側や金融界にあるとみられる。

 <HDD、足元の事業環境は好転>

     ただ、ここにきてHDD事業は市況が改善。日立は10月末、HGSTの第4四半期(07年10─12月期)の営業損益について8100万ドル(約90億円)の黒字との予想を示した。経営幹部によると、第4四半期の営業黒字化は高い期待感が持てるという。実現すれば四半期ベースで8期ぶりの営業黒字となる。

     HDD業界では、記録密度を飛躍的に高める「垂直磁気記録方式」と「トンネル磁気抵抗素子」の2つの技術革新を用いた製品の供給が本格化。「30年に1度の技術革新」(日立関係者)が開花しようとする中で、日立内部では、HDD事業を単独で継続すべきとの声も少なくない。

     一方で、累計で約1200億円の赤字(今期赤字見込み額含む)を出しているHDD事業を継続することに対し、日立内部では「他部門からの不満があるのは事実」(経営幹部)という。株主や市場関係者の間には赤字が続くことへの批判もある。別の経営幹部は「構造改革を加速しないといけない。有効な手は何でも使う」としつつ、ファンドなど外部の協力を得るのか、単独で進めるかについては「思案中」だとしている。

     <優先交渉権の報道、日立は否定>

     

     21日付の日本経済新聞朝刊は、「日立がHDD事業に投資ファンドの資本を受け入れ、再建に乗り出す方針を固めた」と報じた。同紙は「米シルバーレイクに優先交渉権を与え、来月1月中の合意を目指して、全額出資する米事業子会社の株式の5割弱を売却する方向で最終調整している」と伝えている。

     日立の経営幹部は同日、ロイターに対し、優先交渉権の付与などについて「決めていない」と語った。日立は同日、「あらゆる方策を検討しているが、HDD事業売却を決定した事実はない」とのコメントを発表した。

     日立の株価は21日、前営業日比28円高の805円で引けた。

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