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再送:〔永田町ウォッチャー〕日銀総裁が戦後初の空席へ、元財務次官再提示で与野党に不信感
2008年3月18日 / 14:24 / 10年後

再送:〔永田町ウォッチャー〕日銀総裁が戦後初の空席へ、元財務次官再提示で与野党に不信感

 *この記事は18日午後11時21分に送信しました。

  [東京 18日 ロイター] 民主党は18日夜、役員会を開催し、政府が同日に国会に提示した田波耕治・国際協力銀行総裁(元財務事務次官)を日銀総裁に起用する人事案への不同意を決めた。前回の武藤敏郎・日銀副総裁(元財務事務次官)の昇格案に続く2度目の不同意で、正式な態度は、福井俊彦日銀総裁の任期切れ当日となる19日の衆参それぞれの本会議で表明する。日銀総裁ポストが戦後初めて空席となる異例の事態に直面することは確実な情勢だが、与野党双方に不信感が強まる中、日銀人事をめぐる対立に打開のめどは見えない。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は役員会後の会見で、田波氏を不同意とした理由について「武藤氏を不同意にして田波氏を同意する理由は全くみつからない」と指摘。サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題など国際的な金融問題に対する適切な判断力・即決力が求められている今、「必ずしも国際的な金融問題に詳しくない人が日銀総裁として仕事ができるか。そのことが最も強い不同意の理由だ」と説明した。

 役員会に先立って行われた同党の国会同意人事小委員会後に会見した仙谷由人小委員長は、市場関係者からの知名度が低い点を指摘し「生々しいマーケットに対する金融政策の経験が不明だ」と市場と対話力にも疑問を投げかけた。

 民主党が武藤氏に続いて日銀総裁候補に対する不同意を決定したことで、総裁ポストの空席は避けられない。日銀総裁など重要な国会同意人事については、新たなルールで人事案の提示後に衆参それぞれの議院運営委員会において候補者の所信聴取と質疑を行い、各党が態度を決めることになっており、日程的に19日中の総裁決定が不可能なためだ。

 その場合、日銀法の規定により、すでに衆参両院で同意を受けている白川方明・京大大学院教授(元日銀理事)と今回の人事案において民主党が同意を決定した西村清彦日銀審議委員の2人の新副総裁のうち、福井総裁が任命する人が総裁の職務を代行することになる。

 もっとも、戦後初めて日銀総裁ポスト自体が空席になるという異例の事態に陥ることになり、米サブプライムローン(信用度の低い借手向け住宅融資)問題を背景とした金融市場の混乱が深刻化する中で、日本に対する信用が揺らぐ可能性がある。

 鳩山幹事長は「空席リスクよりも、間違った人事を行って総裁に認めてしまった後の国民に対するリスクのどちらを大きく考えるかの問題だ」とし、「国民が取るリスクを最小にする」との判断から不同意を決定したと説明した。

 空席を最短にするためにも、政府は新たな日銀総裁候補を早急に提示する必要に迫られるが、福田康夫首相は18日夕、官邸内で記者団に対し、「民主党のことはわからない。どなたがよいのか、そういう話を聞いたこともないし、こちらから何人も名前を出している」とした上で、武藤氏に続いて財務次官経験者を総裁候補にしたことについて「経歴が大蔵省ということで、それでダメだというのはおかしな話だ」と指摘した。

 ある与党幹部は首相の意図について「候補者を差し替えるという屈辱的なことを甘んじてやった。財務省出身者だからダメという論理を受けいれると、悪しき前例になってしまうと思っているのではないか」と解説しており、今後提示してくる政府案が民主党の同意を得られるものになる保証はない。

 一方の民主党では、2度続けて財務次官経験者を政府が提示してきたことに対し、複数の幹部が「財務省の執念を感じる」、「土足で踏みにじられた思い」と不快感をあらわにしており、日銀総裁人事をめぐる与野党対立の先行きは、不透明感を一段と強めている。

 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者、 伊藤 純夫記者;編集 田巻 一彦)

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