May 5, 2008 / 12:17 AM / 11 years ago

世界経済は「困難な時期」、通貨スワップ協定800億ドル規模に=ASEANプラス3共同声明

 [マドリード 4日 ロイター] 東南アジア諸国連合と日中韓(ASEANプラス3)の財務相は4日、スペインのマドリードで会合を開き、世界経済は困難な時期に直面しているとの認識を示すとともに、アジア経済は力強い成長を維持する一方でインフレ・リスクが存在し、バランスのとれた政策が重要との共同声明を採択した。

 また、2国間の通貨スワップ取り極めによってネットワークが形成されている現行のチェンマイ・イニシアティブ(CMI)を複数国間の契約によって一本化するマルチ化について、総額を少なくとも800億ドル規模とし、日中韓の3国が8割を拠出することでも合意した。

 

 共同声明のポイントは以下の通り。

 

 <最近の域内経済・金融情勢>

 

 ●世界経済は、困難な時期に直面。世界経済は長期的には強じん性を有するものの、短期的な見通しは弱まっている。先行きについてのリスクとしては、金融市場、住宅市場・信用状況、エネルギーおよび食料価格の高騰によるインフレなどがある。

 

 ●域内経済は力強い成長を維持し、域内経済の先行きについてもいく分弱まっているものの、堅固である。しかしながら、成長見通しのさらなる悪化、金融市場のぜい弱性、原油および一次産品価格の上昇による継続的なインフレ圧力といったリスクが存続。われわれは、これらのリスクに対処する政策のバランスをとり、経済活動を安定的なペースで維持していくための措置をとることの重要性を確認。われわれは、域内の持続可能な経済成長を支えるため、構造改革を加速・深化していくことにもコミット。また、われわれは、域内の食糧安全保障と食糧価格安定をもたらすための地域の施策につきADBと緊密に取り組むことに合意。

 

 ●こうした最近の経済動向をみると、金融市場のぜい弱性とマクロ経済状況の間に強い相互作用があることを認識。アジア域内の諸国は財・サービスの域内貿易を深化させることにより力強い成長を記録。金融市場はクロスボーダーの金融取引の増加に伴い一層相互に依存するようになっている。こうした文脈において、われわれは、マクロ経済政策及び金融監督に責任を有する域内の当局間の意思疎通を引き続き強化する必要を認識。

 

 <東アジア地域金融協力の強化>

 

 ◎チェンマイ・イニシアティブ(CMI)

 

 ●チェンマイ・イニシアティブについて、われわれは前回の京都での会議以降、一本の契約の下で各 国が運用を自ら行う形で外貨準備をプールすることがマルチ化の形態として適当との基本合意に基づき、CMIマルチ化の主要な要素について検討を続けてきた。われわれは、1)域内の短期流動性問題への対応、2)既存の国際的枠組みの補完、というCMIの2つの中核的な目的を維持することを確認。経済サーベイランス、借入限度額、発動メカニズム、意思決定ルール、貸付約款等の主要な要素に厳格な規律が適用されることにより、CMIのマルチ化はより強固なものとなることを合意。

 

 ●ASEANプラス3各国にとって、メンバー国の経済・金融情勢をモニターするための信頼できるシステムが不可欠であることに合意。第一歩として、現行の「域内経済情勢に関する政策対話」を強化するため、政策対話の頻度の増加、提供される必要な情報・データの定型化といった具体的な方策を実施していくことを合意。このように域内のサーベイランスシステムを強化することは円滑かつ効率的な意思決定に寄与。必要な時に有益な情報を提供する国際金融機関の役割についてさらに検討。

 

 ●CMIマルチ化の総額については少なくとも800億ドルとすること、また、ASEAN諸国と日中韓3カ国の拠出割合は20対80とすることについても合意。さらに、借入限度額、発動メカニズム等の要素に関する基本的な考え方についても合意。CMIマルチ化についてのこれまでの進展に基づき、われわれは借入適格要件、借入約款の内容などすべての要素についての合意に向けて作業を加速することにコミット。

 

 ◎アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)

 

 ●2003年以降のABMIにおける取り組みに伴い、アジア債券市場はその規模、発行体の多様性という点で著しい成長を記録。また、証券化を活用した新たな債券に係る研究、信用保証および投資メカニズムの検討、域内格付け会社の信頼性の向上等、現行のABMIにおいて努力・進ちょくがあった。

 

 ●われわれは、アジア債券市場のさらなる発展のためABMI新ロードマップを承認。このロードマップは、ABMI5周年に当たり、ABMIの具体的な進ちょくに向けたわれわれの新たな強いコミットメントを示すもの。

 

 ●第1に、ロードマップは、1)現地通貨建て債券発行の促進、2)現地通貨建て債券の需要の促進、3)規制枠組みの改善、4)債券市場関連インフラの改善、という4つの主要分野に焦点。これらの分野を所掌する4つのタスクフォースの活動をモニターし調整するためステアリング・グループを創設。

 

 ●第2に、われわれは、よりアクセス可能な域内債券市場の育成につき協調的に貢献していくため、さらなる自助努力を行うことに合意。この点につき、各国は、ABMIの目標に沿って進ちょく状況の定期的な自己評価を実施。このために、評価基準を導入。

 

 ●第3に、われわれは、債券市場の発展に民間部門が重要な役割を果たすことを認識。この点につき、クロスボーダー債券取引及び決済上の課題を議論するため、民間部門の参加者で構成される検討グループが発足したことを歓迎。

 

 ◎その他

 

 ●ASEANプラス3リサーチ・グループにより行われた金融統合・域内資本市場の育成を含む様々な研究を歓迎。われわれは、リサーチ・グループの来年の研究テーマとして、「企業信用情報データベース及び信用保証制度の整備」、「東アジアにおける貿易・海外直接投資・資金フローの動向及びその政策的含意」及び「新たな金融商品とそのアジア金融市場への影響」を承認。

 

 ●われわれは、地域サーベイランス能力の向上に資する、「早期警戒システムに係る作業部会」や「専門家グループ」の進ちょくを歓迎。

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