April 8, 2008 / 3:21 PM / in 11 years

再送:〔永田町ウオッチャー〕渡辺氏「不同意」は両刃の剣、民主党内の結束揺らぐ懸念も

 *この記事は9日午前零時19分に送信しました。

 民主党が8日、日銀の正副総裁人事で前財務官の渡辺博史・一橋大大学院教授の副総裁就任を不同意とすることを決めた。党の大勢が渡辺氏に賛成と見られていた中で、政権奪取にむけた論理が優先され、「天下り禁止」を主張する小沢一郎代表によるトップ・ダウン型の意思決定が渡辺氏容認論を覆した。肝心の総裁こそ白川方明副総裁の昇格でようやく決着するものの、今回の正副総裁人事で3度目の国会不同意となれば、福田康夫政権へのダメージは小さくない。早期の解散・総選挙を目指す民主党でも、党内結束が揺らぐ可能性も指摘されており、渡辺氏「不同意」は小沢代表にとって両刃の剣となる可能性がある。

 「民主党は天下り禁止の錦の御旗を掲げている」 。鳩山由紀夫幹事長は8日の役員連絡会後の記者会見で、渡辺副総裁候補を不同意と決めた理由についてこう語った。

 役員連絡会に先立って行われた同党の国会同意人事検討小委員会では、日銀正副総裁人事について、最終判断を役員会に一任することを確認したが、仙谷由人小委員長によると「小委員会の意見としては、白川総裁に同意、渡辺副総裁も同意が可能というのが大勢だった」という。

 仙谷氏は天下りに批判に関しても、「(渡辺副総裁案は)民主党が言う天下り人事とは質が違う。(国際局出身の渡辺氏ならば)主計局、財務次官、日銀という財務省支配の人事体制ではない」とし、財務省出身でも財務官経験者であれば天下りに当たらないとの認識を示していた。

 しかし、役員連絡会で下した判断は「不同意」。鳩山幹事長は、渡辺氏の不同意について「役員会で全く異論はなかった」と述べたが、自身が渡辺副総裁であれば同意する可能性を示唆し、自民党の伊吹文明幹事長にも伝えていただけに「努力が実らず申し訳ない思い」と無念さをにじませた。

 ある民主党幹部は、日銀人事でいつまでも政府・与党ともめても民主党にメリットはないとの声も多いとし「渡辺副総裁に反対しているのは、小沢代表とその意向をくんだ一部の幹部だけ」(民主党幹部)と述べる。

 役員会の決定前には「現場の意見がひっくり返る時は、政治的な判断も必要」(別の民主党幹部)と執行部をけん制する発言も出ていた。同意人事検討小委も最終判断は役員会に一任する決定をすしたものの、執行部は本会議での採決で「(今回の決定には)党議拘束がかかっており、極力造反が出ないよう努力する」(鳩山幹事長)とし、造反が出ることに対し、神経をとがらせている。

 渡辺氏は8日の衆院での所信聴取で、世界経済の下振れリスクが高まる中で「われわれが現在直面する課題に取り組むためには、切迫感というか、時間の制約という感覚をきちんと持つ必要がある。これへの対応をわが国が必ずしも適切に行えなかったことが、長年にわたって世界経済の重要な担い手であった日本が、ここ数年、ややその存在感を低下させている背景である」と述べ、危機管理の欠如に警鐘を鳴らしている。

 今回の日銀人事をめぐる騒動のてん末が、日本経済に与える影響は決して小さいものではない。   

 (東京 9日 ロイター)

 (ロイター日本語ニュース 伊藤 純夫記者、吉川 裕子記者;編集 田巻 一彦)

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