[シンガポール 11日 ロイター] 11日午前のアジア通貨は、総じて下落。米当局者による一連の発言を受けて米連邦準備理事会(FRB)が年内にも利上げに踏み切るのではないかとの観測が広がり、米ドルが主要通貨に対して上昇している。
バーツTHB=THは、前日のアジア取引終盤から0.5%近く安い1米ドル=33.12バーツまで下落した。しかし、9日につけた5カ月ぶり安値の33.41バーツは上回っている。
米ドルが多くの通貨に対して上昇していることがバーツ安の原因だとトレーダーらはみている。あるトレーダーは「タイ中央銀行は前日に1米ドル=33.1バーツ近辺で市場介入を行ったため、現在の水準でも介入に踏み切る可能性がある」と述べた。タイ中銀はバーツの下落を防ぐため、前週から今週にかけて連日のバーツ買い・米ドル売り介入を行ったとみられている。
韓国、フィリピン、インド、インドネシアなど他の国々の中央銀行も、インフレ懸念から自国通貨防衛の米ドル売り介入を行っているとみられている。
JPモルガンのストラテジストはリサーチノートで「われわれは、こうした中央銀行の動きはインフレ抑制に軸足を置いた金融政策に沿ったものとみており、各国中銀がこのような政策行動をとり続けることで市場が安定すると予想している」と述べた。
対ユーロEUR=と対円JPY=で今週大きく上昇している米ドルは、引き続き高値で推移。インフレを強く警戒するバーナンキFRB議長の9日の発言を受け、市場では年内にも利上げが行われるとの観測が広がった。
また、米当局者らが相次いで米ドルの動向を注視していると発言し、ドル安に歯止めをかけるためにドル買い介入の可能性を排除しない姿勢を示した。
シンガポールドルSGD=は一時、0.5%安の1米ドル=1.3740シンガポールドルに下落。
フィリピンペソPHP=はほぼ0.2%安の1米ドル=44.50ペソに下落し、昨年10月以来の安値をつけた。
人民元CNY=CFXSは1米ドル=6.9252元まで下落。10日には、切り上げ後の最高値となる6.9140元をつけていた。
ただ、シンガポールドルと人民元については、両国がインフレ抑制のツールとして為替を用いるとの見方から、今後はさらに上昇するとみられている。
*0252GMT(日本時間午前11時52分)時点のアジア各国通貨の対米ドル相場は次の通り。
シンガポールドル 1.3730
台湾ドル 30.407
韓国ウォン 1027.50
タイバーツ 33.11
フィリピンペソ 44.33
インドネシアルピア 9320.00
インドルピー 42.99
マレーシアリンギ 3.2710
人民元 6.9232
原文参照番号[nSP211543](3000Xtraをご利用の場合、配信後24時間以上経過した記事でも380日以内であれば[ID:nSP211543]でご覧になれます。なお、契約の内容によっては、原文がご覧いただけない場合もあります)