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〔ファンドビュー〕インフレや金融不安から遠い日本株、相対的に優位=DIAM 宮田氏
2008年5月27日 / 05:32 / 9年前

〔ファンドビュー〕インフレや金融不安から遠い日本株、相対的に優位=DIAM 宮田氏

 [東京 27日 ロイター] DIAMアセットマネジメントのシニア・ポートフォリオマネジャー、宮田康弘氏は、日本株について足元は長期的な上昇局面での踊り場、もみあい期間に入っているものの、欧米と比較してインフレ圧力やクレジット・クランチ懸念などの金融不安から最も遠い市場であることから、相対的に優位にあるとの見方を示した。

 <国内株は長期上昇相場での踊り場>

 宮田氏は、足元の日本株について、長期上昇相場での踊り場とみている。米国の景気後退懸念に加え、内需(賃金や消費)不振、政治不信、円高と日本独自の悪材料もすぐには払しょくできないとの見方から、短期的には慎重なスタンスだ。

 日経平均.N225の動向について「金融不安に端を発した株価下落で、重要なチャートポイントである2003年からの上昇支持線を下抜けした。上半期は米国の利下げなどの政策期待での反発したが、先行きは実体経済悪化と円高が重しとなる可能性が高い」と予測している。

 

 一方、株価収益率(PER)は米国並みの水準に低下し、株価純資産倍率(PBR)も最低水準で推移しており「配当利回りが国債利回りを上回るなど主要指標で割安レベル示唆し、株価は既に相応の米景気後退を織り込んでいる」と述べている。「夏場に向けて景気後退、円高、減益懸念で再度下値を模索する展開となる可能性はあるが、そこが中期での押し目買いの好機。夏場以降の戻りでは相対的な強さが目立ってくると期待している」(宮田氏)という。宮田氏は日本株への強気な見方の理由として「サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題に端を発した金融不安もインフレ懸念も、欧米と比較して最も遠いところに位置しているのが日本だ」と説明した。

 宮田氏はTOPIX.TOPXの今後3カ月の予想レンジを1250─1500ポイントとおいている。「リスクは円高。基本シナリオとして日経平均は3月安値の1万1691円が底打ちとみているが、内需改善の遅れが気がかり。米国景気の後退が長期化してドル/円JPY=が90円を超す円高に振れた場合、2番底を付けにいくリスクも残る」と述べている。

 <外国株式はサブプライム問題の影響続く>

 日本株とは対照的に、宮田氏は米国株に対してかなり弱気スタンスだという。「インフレ高止まり傾向で、金利は先高観が強い半面、ドル安は続く。米国経済は1─3月が底という見方が強いが、金利や為替動向によってはダブル・ディップで景気鈍化が長引く可能性もある。その可能性を市場が織り込むことになれば、6月以降、調整含みとなるのではないか」とみている。

 宮田氏は米国などの外国株式については、今後は実体経済に焦点が移るとの見方。サブプライムローン問題に端を発した信用収縮の実体経済への悪影響が徐々に顕著となり、住宅市場悪化やガソリン高騰の影響で消費に慎重にならざるを得ないためだという。「もっとも米国株のバリュエーションは割安水準だ。金融セクター以外の増益維持、財政・金融政策効果での景気底割れ回避などが確認できれば持ち直すだろう。実質ゼロ金利が長期化するならば本格反発になる」(宮田氏)とみている。

 

 欧州株については、ユーロ高や原油高を受けて、企業景況感に陰りが出ていると指摘する。宮田氏は「金融機関決算に不安が残っており、欧州中銀(ECB)の引き締めバイアスがこのまま続くと上値が重くなる」と慎重姿勢だ。

 欧州の大手金融機関の1─3月期決算では損失額の拡大が明らかとなった。スイスのUBSUBSN.VXの2兆円を筆頭に、英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)(RBS.L)、スイスのクレディ・スイス・グループCSGN.VXなど、2007年10─12月期から損失額が拡大した。宮田氏は「信用リスク関連商品の損失拡大傾向は続いている。金融機関の経営に対する懸念は依然払拭しきれず、引き続き市場心理の重しとなる」とみている。

 <為替は円高警戒モードに>

 円高は日本株にとって大きな懸念材料と宮田氏は位置付ける。「為替は円高警戒モードだ。夏場に向け再度、円高トライの局面となる可能性がある。仮にECBが金融緩和政策に転換すれば、思わぬユーロ安もありうる。そうなれば、さらに円高圧力が強まりそうだ」(宮田氏)とみている。宮田氏は今後3カ月程度のドル/円の予想レンジを95円─106円としている。

 想定の前提は、ドル安基調の定着だ。「日米金利差は既に円高傾向が強まる政策金利差3%を大きく割り込んでいる。米連邦準備理事会(FRB)が利下げスタンスを継続すると想定すれば、円高基調に傾き円キャリートレードの縮小が続く」と述べた。

 宮田氏は足元で、政策期待によって株高が安定しても、金利差縮小と米景気後退懸念が最も高まる夏場にかけ再び100円割れをトライするとみている。「米景況感次第で直近高値95円割れを試す可能性もある」という。「米当局は内需鈍化の中で外需下支えをサポートするため、信認が揺らがない程度のドル安水準を容認するだろう。不安定な米資本市場や景況感を背景としたドル離れを後押しする」との見方だ。

 ただ、年明けに向けて、米実体経済と米株価持ち直しを受けてドルの信認が回復し、円高進行に歯止めがかかると予想しているという。

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