September 26, 2008 / 2:03 AM / 12 years ago

インタビュー:株のアクティブ投資、長期なら債券に負けない=田子・ユニオン投信社長

 岩崎 成子記者

 [東京 26日 ロイター] セイコーエプソン(6724.T)の労働組合が全額出資した「ユニオン投信」の代表取締役、田子慶紀氏は、企業価値に投資する株式投資は長期投資でこそ着実にメリットを享受できるとして10月20日、旗艦ファンドとなる「ユニオンファンド」を設定する。

 ユニオン投信は、労組の出資で設立された運用会社としては国内初。田子社長が、ロイターのインタビューに答えた。

 詳細は以下のとおり。

 ──労組が運用会社を設立するに至った経緯は。

 「10年以上前からセイコーエプソンの労組は組合員の資産形成について、組合員の可処分所得を向上させるべく積極的に活動してきた。その手段として、保険の見直しなど家計支出に関する相談から始まり、セイコーエプソンが2004年4月にDC(確定拠出型)年金を導入してからは、年金を始め資金運用に関するセミナー等を繰り返し行ってきた。労組の執行部メンバーは独自にファイナンシャルプランナー(FP)やDC年金アドバイザー、社会保険労務士などの資格を取り、組合員の生活設定にいろいろアドバイスを行ってきた。そうこうしているうちにやはり可処分所得を向上させるには運用も大切ではないかという結論になり今日に至った」

 「なお可処分所得の向上のひとつには、賃金やボーナスの上昇、人事的な昇格によるもの等も考えられるが、それだけが手段ではない。高齢化社会が進み、社会保障制度にも不安を覚える中で、個人が自助努力で資産運用を行う必要性が求められてきている。ただ資産形成の道に近道はない。ユニオン投信は個人家計を中心に、投資初心者にもわかりやすく顧客とのつながりを大切に、少しでも組合員らをはじめとする顧客の日常生活において安心感を提供できるよう、そういう想いを込め設立している」

 ──経営理念は。

 「長期投資という資産運用を通じ、働く仲間と家族(未来のこどもや孫たちも含め)の財産づくりを支援し、明るい未来・希望ある社会づくりに貢献する──だ」

 ──提供するファンドは。

 「長期投資を前提としたもので、ファンド名は「ユニオンファンド」。複数のファンドに投資するファンド・オブ・ファンズスタイルで株式特化型だ。長期投資では株式が債券を上回るパフォーマンスを上げている」

 「投資先はいずれも長期投資の考え方が確立・実践されているもので、パフォーマンスが良好なファンドを選択した。少数ではあるが、長期間にわたり指数を上回るアクティブファンドは国内外に存在する。具体的な組み入れは、日本株ではさわかみ投信を、欧米の株式では、長期的視野で個別銘柄に選別投資するキャピタル・インターナショナルや、バリュースタイル運用に定評のあるハリス・アソシエイツ、新興国の株式では、中長期的に2ケタ成長が期待できる企業に選別投資するコムジェストを組み入れる予定だ」

 ──ターゲットとする顧客はセイコーエプソンの組合員だけか。

 「もちろんセイコーエプソンの組合員の方々には、ぜひ口座を開いて資産運用の選択肢のひとつとして活用してもらいたいと思っているが、ユニオン投信は広く門戸を開いている。誰にでも活用してもらえる。労組のメンバーは約1万2000人いるが、全員が口座を開設しファンドを購入するというものではない。あくまでも希望者が口座を開設し購入することとなるが、ユニオン投信の理念や運用哲学を一人でも多くの方に理解をしてもらえるよう常に努力をしていくつもりだ」

 ──ファンドの損益分岐点は。達成時期は。

 「120億円程度とみている。あくまで目標だが2011年度(2012年3月末まで)に達成し、利益の還元をファンドの受益者にはもちろん、地域社会等々にエプソン労組とタイアップして社会貢献を行っていく。ユニオン投信は非営利団体の労組がバックに付いているので、ストレートにその実行が可能」

 ──ファンドの設定前にリーマンLEHMQ.PK破綻から始まった一連の金融不安をどうみるか。

 「確かに金融の歴史に残るような大事件で、資金の流れに変調を来す場面があり、一時的に経済や社会にどんよりとした暗雲がひろがっている状況は避けられないかもしれない。しかし日々生活を営む私たちは明日や将来をどっしり見据えて歩んでいかなければならない。環境的にはアゲンストの風がきついが、“高い所を売って、安い所を買う”という投資の王道からすれば、むしろ運用をスタートするタイミングとしてはよかったのではないかと思っている」

 ──口座開設や資金の流入状況にかなり影響するのでは。何かいい方策は。

 「スロースターターになるかもしれないが、まったく心配はしていない。実はセイコーエプソンの労組は他企業の労組との交流が広く深い。運用会社設立の際は複数の他の労組からも声援をいただいている。社名の「ユニオン」にある通り、他の労組などからお声がかかれば、働く仲間とその家族のために勉強会でも説明にでも積極的に対応していきたい」

 ──働く仲間と家族のために考えた独自のシステムなどは。

 「長期投資は少しでも早く始めるほうがいい。特にユニオン投信では子供たちや孫たちの将来を考え、未成年者が定期的にファンドを買い付ける定期定額購入サービスを用意した。これは3000円以上1000円単位で購入できるものだ。末長い資産運用をユニオン投信と共に歩んでいただきたいと考えている」

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 (ロイターニュース 岩崎成子記者;編集 宮崎 大)

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