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UPDATE2: 新生<8303.T>・あおぞら<8304.T>3カ月連続で利金債発行見送り、市場混乱で大幅なスプレッド拡大に

 *6段落目を追加しました。

 [東京 9日 ロイター] 新生銀行8303.T<0#8303=JFI>とあおぞら銀行8304.T<0#8304=JFI>は9日、12月の期間5年利付金融債の発行を見送った。新生銀行はマーケット環境が不安定な点、あおぞら銀行はマーケットの混乱、および資金が潤沢にあることなどを発行見送りの理由に挙げた。両行が9日明らかにした。新生銀行とあおぞら銀行の利金債発行見送りは、10月から3カ月連続。新生銀行、あおぞら銀行ともに旧日本長期信用銀行、旧日本債券信用銀行時代を含めて2カ月、3カ月といった連続で発行を見送ったことはない。マーケットでは、過去の経験則に照らすと異常な事態ではないかとの声も出ている。

 <適切なスプレッドつかめず、起債できる状況にない>

 複数の一般債市場の関係者は、発行見送りの要因として、セカンダリーマーケットで両行の利金債のスプレッドが大幅に拡大していることを挙げている。両行のスプレッドの気配(仲値)は、残存期間5年で国債流通利回りに対し、1000─1500ベーシスポイント(bp)にまでワイド化している。

 銀行シニア債(SB)や他の利金債のスプレッドと比べてみると、みずほコーポレート銀行<0#8310=JFI>が57bp程度、農林中央金庫<0#0953=JFI>が65bp程度の水準にあり、両行のスプレッドは極端に拡大していると言える。「両行の信用力に照らした適切なスプレッドがつかめず、現状ではとても起債できる状況にない。世界的な金融危機からクレジットへの警戒は収まっておらず、財務基盤に不安のある両行は資金を調達する上で、厳しい局面を迎えている」(外資系証券)との指摘が出ていた。

 <資金調達方法は預金中心に多様化>

 利金債発行を見送ったことによる資金繰りへの両行の影響について、新生銀行は「資金調達方法は預金を中心に多様化しており、影響は限られている」と話す。新生銀行は12月に住宅ローン債権を証券化して総額300億円の資産担保証券を発行する予定にある。あおぞら銀行は「引き続き潤沢な流動性を保持している。個人預金も堅調に推移しており、資金調達面の影響はない」と述べた。

 両行が複数の格付け機関から取得している長期格付けは現在、BBB+(トリプルBプラス)からA(シングルA)と比較的高い。市場では「信用不安払しょくの方向が確認できれば、急拡大したスプレッドも低下から落ち着く。両行とも投資適格等級にあり、利金債発行の再開も期待できる」(国内大手証券)という見方もある。

 <利金債への依存度、あおぞら銀がより高く>

 発行を見送ったあおぞら銀行と新生銀行とでは、調達手段に占める金融債の位置付けが異なっている。あおぞら銀行は資金調達全体のうち、預金が約6割、金融債が約4割。一方、新生銀行の調達に占める金融債の割合は1割程度となっている。

 もともと長信銀の流れをくむ新生銀行とあおぞら銀行は、ともに支店ネットワークが弱く、個人や法人からの預金というかたちで資金を集める調達手段が十分に整っていなかった。しかし、新生銀行は発足以来、リテール分野を強化し、個人預金による調達手段を拡大。ある銀行アナリストは「リテールも含めた顧客基盤の拡大努力を怠ってきたツケが、あおぞら銀行には回ってきたのではないか」と語っている。

  (ロイター日本語ニュース 伊藤 武文記者 片山 直幸記者 布施 太郎記者)

(takefumi.ito@thomsonreuters.com;03-6441-1793;ロイターメッセージング:

takefumi.ito.reuters.com@reuters.net)

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