July 15, 2009 / 8:54 AM / 11 years ago

UPDATE3: 白川日銀総裁記者会見の一問一答

 [東京 15日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は15日、CP・社債買入れなど「異例の措置」の延長決定の要因について、下位格付け先の社債発行が引き続き低水準にあるなど、金融環境がなお厳しいことを挙げた。

 会見の詳細は以下の通り。

 

 ──今回の決定のポイントは。

 (「当面の金融政策運営について」を読み上げ)

 ──どこまで市場機能が改善しているとみているのか。

 「今回の判断で2つのことを言っている。ひとつは『なお厳しい』という評価と、方向として『改善』しているという2つがある。金融環境は全体としてはなお厳しいという部分だが、下位格付け先の社債発行は低い水準にとどまっているなど、格付け間での二極化は依然解消されていない。資金繰りや金融機関の貸し出し態度に関するアンケート調査をみても、最近は改善しているとはいえ、中小企業を中心になお「厳しい」とする先が多いとみている。企業からみると、厳しい収益環境が続く中で、在庫調整が一巡した後の景気回復の足取りなどについて、なお不確定な面が大きく、今後の資金調達環境に対する不安感が払拭できないという状況にあるのだろうと推測している。こうした情勢判断を踏まえて、企業金融の円滑化を引き続き図っていく観点から措置を延長した」

 「一方、改善について言うと、足元の金融環境は、これは明らかに改善の動きが続いているとみている。CPの発行スプレッドは、リーマン破綻直後に急激に拡大したが、年明け以後縮小し、足元では、高い格付け物を中心に、リーマン破綻以前の水準まで低下している。日銀によるCP買い入れについても、3月以後、大幅な札割れの状態が続いている。社債については、6月の発行額が月間としては過去最高になったほか、発行銘柄も拡大している。CP・社債市場の機能は着実に回復しつつある。銀行貸し出しも大企業向けを中心に高めの動きが続いているほか、資金繰りや金融機関の貸し出し態度は、大企業・中小企業とも、方向としては改善している。現状の評価として、なお厳しいということと、しかし明らかに改善の方向に向かっているという両方の動きが現在あるとみている」

 

  ──今回、特別措置の延長を決めた一方で、企業金融特別支援オペについて弊害やCPや社債買い入れオペについて副作用も指摘されているが、どう考えているか。

 「一連の企業金融関連措置は、昨年秋以降CP・社債発行が困難となるなど、金融市場の緊張度が極めて高い中で、企業金融の円滑化を支援するために実施してきたもの。その後の動きをみてみると、全体として改善してきているのは申し上げた通りだが、最近では同じ期間のCP発行金利が短期国債の発行金利を下回るなど、一部に行き過ぎた動きがあることも意識しているし、こうした状態が続けば投資家の投資意欲が後退し、市場機能を阻害してしまう。かえってCP市場の発展にとっても望ましくない、そういう可能性があることも確かだ。こうした行き過ぎの要因として市場では企業金融支援特別オペの効果が大きいのではないかという議論があることも承知している」

 「ただ、我々としては今申し上げたことは一方で十分意識しているが、他方で今の企業金融の状況を考えると、先ほどの二極化現象は解消されていないし、足元改善はしているが先々の資金調達環境について不確実性が払しょくされていないという状況だ。企業金融全体の姿を見た場合に、先ほど申し上げたような部分的な影響あるいは副作用だけでなく、全体状況を踏まえて判断していく必要があると思っている」

 ──12月までに時限措置を見直したり継続などの可能性は?言い換えると、どういう環境となれば出口ということになるのか?

 「日本銀行は金融政策政策決定会合で毎回、経済・金融情勢を丹念に点検している。全てはこうした点検を踏まえてこうした措置をどうしていくかを考えている。最初から何か結論があるわけではない。先ほどから申し上げているように、金融環境は方向としては改善しているが、しかし現状はこうした措置を続けた方がよいと判断した。(金融環境が)なお厳しいと判断したことが、今回継続した方がいいという判断につながった」

 「一方、今回6カ月でなく延長を3カ月にしたということは、足元改善傾向が続いている、この後もこの傾向が続くだろうと判断していることによって、3カ月後にもう1回経済・金融情勢をしっかり点検していこうということにした。今後情勢が一段と改善していけば、新たな期限である年末には各種時限措置の終了または見直しを行うことが適当と考えている。しかし一方で、今回の中間評価でも指摘しているように、先行きの金融経済情勢については不確実性が高いとみている。したがって、情勢が十分改善せずに必要と判断した場合には、時限措置を再延長することになる。繰り返しになるが、結論が先にあるわけではなく、時限措置の取り扱いについては、今後の企業金融や金融市場の展開を注意深く点検してい判断していこうと。その判断のタイミングを今回期間の3カ月延長ということで行うことにした」

 

 ──今回企業金融支援措置の延長期間を3カ月にしたのは時限措置であることも含めて市場に再認識させる狙いもあったのか。

 

 「これは時限措置なので未来永劫続くものではないことは最初から銘打っている。措置の内容により若干異なるが、中央銀行としては異例の措置が多く含まれている。日本銀行に限らず、どの中央銀行でもそうだが、異例の措置を長く続けると、つまり金融経済情勢が改善した後も長く続けると、本来市場が持っている自律的な調整作用というものをそいでしまうので、結果として経済・金融の振幅を大きくしてしまうことになる。そういう意味で、もともと時限ということは恒久ではないということを意味する。ただその時期については、先ほどから申し上げているように判断していこうということ」

 

 ──今回、景気は下げ止まっているとの判断だったが、景気底打ちと理解していいのか。

 

 「景気という言葉も、底打ちという言葉も、各人各様の解釈や定義があると思う。私としては底打ちという言葉は今回も前回も使っていない。文字通り下げ止まっているということ。今回の説明文にもあるが、輸出・生産は内外の在庫調整進展から、かなり明るい動きが見られるが、一方で内需については今回も弱い判断を示している。これを全部ひっくるめて景気という言葉で表しているわけで、景気というものを人によっては生産に重点をおいて判断するし、収益に重点を置く人も、あるいは雇用に重点をおいて判断する人もいる。景気の動きがこのように食い違っている以上、われわれとしては、そういう内容を丹念に説明していくことが、最も説明責任を果たしていくことになる」

 ──「異例の措置」の延長だが、来月まで決定を待ってもよかったのではないか。なぜ今月決定したのか。

 「企業の金融環境は改善の方向にあるが、しかし現在、なお厳しいという評価をしている。こういう判断をしている以上、市場からみての不確実要因である各種の措置をどのように運営するか、その方針を早めに出した方がよいと、今回、合意に至った」

 ──GDP見通しが、4月の展望リポートより下方修正されているが、その理由は。

 「経済の見通しについては、数字ではなく、基本的なメカニズムを重視している。これは日銀に限らず、どの中央銀行でも共通していることで、イングランド銀行はどは、この点徹底していて、数字は一切ださない。イングランド銀行では見通しの確率分布の推移を示し、どこにも数字は出ていない。日銀では、リスクバランスチャートを示している。GDP見通しの09年度、10年度の分布をみてもらうと分かるように、前回の見通しと今回の見通しで大きく変ったという図にはなっていない。今回の議論でも、どの委員からも、基本的なメカニズムが変ったという見方は示されなかった。中央値は幾分下になっているが、今回、基本的なメカニズムが変ったという認識を持っているわけではなく、われわれ自身の意識として、下方修正したという意識はない」

 ──今回の決定会合で、出口の必要性などについての議論や意見は審議委員の中でなかったか。

 

 「個々の委員の意見そのものについては議事要旨をみていただきたい。先ほど申し上げたように、出口自体について議論するとか意識するということではない。あくまでも経済・金融情勢を毎回丹念に点検して、その結果、適切なタイミングで政策などについて変更の必要があれば変更する、必要がなければ継続するということ。こういう異例の措置であるだけに、どの中央銀行も最終的な出口を当然考えている。そういうことを考えない中央銀行があるとすれば、それ自体が市場からみて大きな不安定材料となる。そういう一般論は常に意識しているが、しかし毎回毎回あくまでも予断をもつことなく、経済・金融情勢を点検するという一点につきているので、ご質問のような意味で出口の議論をしたということではない」

 

 ──民主党の政策、特に金融政策の考え方について、何かコメントがあるか。

 

 「ご質問の点についてお答えするのは適切ではない。日本銀行法に従って金融政策を判断し運営していくことに尽きる。物価の安定を通じて国民経済の安定的発展に貢献していくことが日本銀行に課せられた大きな使命。そのことだけを考えて対応していくということで、それ以上のコメントはない」

 ──国際会計基準審議会が金融商品の見直しの素案を作っているが、昨日ロンドンで発表されたが、なるべく時価会計で処理しようという方向性の中で、金融商品を大量に保有している日

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