January 11, 2010 / 10:44 PM / 9 years ago

再送:〔アングル〕ビール業界の2010年は新ジャンルが主戦場、プレミアムや非ビール系も競争激化

*以下の記事は8日午後8時に配信しました。

 [東京 8日 ロイター] 2010年のビール大手4社は、少子高齢化や若者のアル

コール離れでビール系飲料(ビール、発泡酒、新ジャンル)の市場縮小が続く中、低価格

で消費者ニーズの強い「新ジャンル」が主戦場となる。各社とも、定番商品のさらなる強

化と新商品投入で伸びる市場を獲得したい考えだ。一方、プレミアムビール市場において

は、首位を走るサントリーの「プレミアムモルツ」と巻き返しを狙うサッポロ「エビス」

の戦いも、熱を帯びそうだ。

 

 <新ジャンルでは新製品ラッシュ、価格戦略も登場> 

 

 8日に大手4社のビール系飲料の販売計画が出揃った。ビール類の総市場について各社

は、09年の3%程度の減少に続き、1―4%程度の市場縮小を予想している。「景気動

向や消費者の購買行動から見て、新ジャンルは2010年も伸びる」(キリンビールの松

沢幸一社長)との見方は共通しており、ビールと発泡酒が減少、新ジャンルが増加という

構図は変わらない。09年に約20%伸び、ビール系飲料市場の30%近くを占めるまで

に拡大した新ジャンルについては、各社とも2ケタの伸びを見込んでいる。

 市場に投入される新製品も、新ジャンルが中心となりそうだ。サントリーは、発泡酒が

主流となっている「糖質ゼロ」という機能を新ジャンルに持たせた「7種のホップ リ

ラックス」を3月30日に発売する予定。発泡酒と従来の新ジャンルの両方のユーザーの

取り込みを狙う。

 キリンは原材料の90%を占める「水」に着目し、硬度1000の硬水を使用した新商

品「1000(サウザン)」を3月に市場に投入する。 

 サッポロも新ジャンルで期間限定の新商品を発売を予定しているほか、3月下旬に計画

している「ドラフトワン」のリニューアル時に価格引き下げに踏み切る。「原料使用の最

適化や製造工程の見直しで実現したコスト削減の成果をメーカーの出荷価格に反映させ

る」(サッポロビールの福永勝社長)としている。どの程度の価格引き下げになるかは明

らかにしていないが、新しい戦略で、低価格志向を強める消費者へアピールする。

 

 <ハイボールなど非ビール系も注目>

 

 「プレミアムモルツ」は前年比18%増の1500万ケース、「エビスブランド」は同

13%増の1200万ケースと、プレミアムビール市場を2分する両社は、2010年も

2ケタの伸びを計画している。ギフト用などで着実に売り上げを伸ばしている「プレミア

ムモルツ」に対し、120周年を迎える「エビスビール」は、広告宣伝や販売促進を重点

的に行うことで販売増につなげたい考えだ。

 また、総市場の縮小が確実なビール市場の外に目を向ける動きも出ている。1983年

以来市場縮小が続いてきたウイスキー市場が、09年は増加に転じた。サントリーが火付

け役となって一気に広がった「ハイボール」がきっかけ。09年のウイスキー市場は

10%拡大したが、サントリーは14%増と市場の伸びを上回る結果を残した。10年も

「ハイボール」のさらなる拡大とプレミアムウイスキーの浸透を図り、ウイスキーで

10%増を狙う。

 「ハイボール」については、キリンも2月から「世界のハイボール」という家庭用缶の

発売を発表している。

 

 <09年の販売シェア争い、僅差でアサヒが首位>

 

 09年販売実績見込みによると、アサヒが前年比2.5%減の1億7700万ケース、

キリンは同1.9%減の1億7680万ケースとなり、わずか20万ケースの僅差でアサ

ヒが首位となった。

 11月の課税出荷数量までは、キリンが首位だったこともあり、キリンビールの松沢社

長は「11月までの課税出荷量の結果や12月の店頭の動きを見て、(シェア1位の)自

信があった」と、驚きを隠せない様子。業界関係者によると、12月下旬にアサヒが強烈

な販売を実施したため、ぎりぎりの逆転劇につながったという。

 ただ、業界では、工場から出荷した際の「課税出荷数量」が正式なシェアとされてい

る。2009年の課税出荷数量は15日に発表される予定。販売数量の差が僅差だったた

め、課税ベースでもアサヒがキリンを抑えて9年連続で首位となるかどうは「非常に微

妙」(業界関係者)という。

 一方、サッポロは前年比2.9%減の5465万ケース、サントリーは、同3%減の

5773万ケースとなっており、08年にシェア逆転を果したサントリーが2年連続で第

3位、第4位がサッポロとなった。

 限られた市場で、限られたプレーヤーが販売を競っているビール業界では、シェアが必

要以上に注目される。このため、「数字を作るための販売」が行われることもあるとい

う。サントリー酒類の相場康則社長は「そういう慣行があったことは否定しない」と認め

たうえで「全体の市場が縮小しているなかで、過度なシェア争いよりも、需要拡大につな

がるような業界全体での取り組みが必要」と苦言を呈した。

 各社の2010年販売計画は以下の通り

  (単位は万箱、カッコ内は前年比伸び率:▼はマイナス)

         ビール     発泡酒     新ジャンル    ビール類計

アサヒ     11500(▼5.1%)2000(▼20.3%)4100(+33.6%)17600(▼0.6%)

キリン     5950(▼5.6%)5190( ▼9.6%)6480(+14.9%)17610(▼0.4%)

サントリー 2035( 0.0 ) 440(▼40.7%)3525(+17.7%) 6000(+3.9%)

サッポロ    3250(+0.5%) 200(▼37.2%)2290(+19.8%) 5740(+5.0%)

記事中の企業の関連情報は各コードをダブルクリックしてご覧ください。

 

 (ロイター日本語ニュース 清水 律子記者:編集 石田仁志)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below