ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY=
正午現在 91.32/37 1.1950/51 109.13/20
午前9時現在 91.32/34 1.1956/59 109.20/24
NY17時現在 91.54/58 1.1969/73 109.48/53
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[東京 9日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨークの午後5時時点に比べて
若干ドル安の91円前半。欧州通貨の不安定な値動きが続く中、円が買われやすい状況が
続いており、ドル/円の上値は重い。前日一時的に1.20ドル台を回復したユーロは、
短期筋を中心に売り安心感が根強く、この日も上値が伸び悩んだ。
正午までの取引では、ドルは91.25―91.62円と狭いレンジ内の取引。ユーロ
/円は朝方、機関投資家のヘッジ売りを受けて、高値109.68円から108.90円
まで下値を伸ばした。前日1.20ドルを回復したユーロ/ドルは、この日は1.19ド
ル半ばを中心とする値動きとなった。「ユーロ安はユーロ圏主要国の輸出にプラスで、高
官からも相次いでユーロ安を容認する発言が聞かれ、売りやすい通貨になっている」(邦
銀)という。
<外国勢のドル・シフト>
市場では、クロス円の最近の下落幅に比べてドル/円の下落幅が比較的に小さい背景と
して、外国勢の根強いドル買い需要を指摘する声がある。
「欧州を中心に不透明感が漂う中、海外の機関投資家ら外国勢を中心に、投資資金を流
動性に優れたドル資産にシフトする動きが見られる。また相対的に見て、米国が最も出口
政策に近いという認識もあり、ドル資産選好が強まっているようだ。それがドル/円の下
支え要因として作用し、下落幅を限定的にしている」と三菱UFJモルガン・スタンレー
証券のシニア投資ストラテジスト、服部隆夫氏は分析している。
<リスク・オフの流れ>
この日は、投資家のリスク・オフ姿勢を助長する材料が多く、株価が軟調で、クロス円
の上値が重くなった。
米ゴールドマン・サックスGS.Nは、同社が販売したモーゲージ関連証券をめぐり、豪
ヘッジファンドのベーシス・イールド・アルファ・ファンドと行っている和解交渉が決裂
するとみられることから、新たな訴訟に直面する可能性がある。ベーシス・イールドが1
億ドルを投資したこのモーゲージ関連証券は現在、大幅な損失が出ている。
また、米保証会社のアンバック・ファイナンシャル・グループABK.Nは8日、ローン
を返済できずデフォルトに陥る可能性があると、米証券取引委員会への提出書類で明らか
にした。
他方、9日付東京新聞は、前政権では「既定路線」とみられていた法人税引き下げが、
菅政権では見送られる可能性もでてきた、と報じたことも、「株価の上値を抑えているも
ようで、(為替市場では)リスク回避の流れにつながっている」(ファンド・マネージャ
ー)という。
<ユーロ/スイスフラン>
このところのユーロ相場のカギを握っているとされるユーロ/スイスフランEURCHF=
は1.3780フラン付近。ユーロは前日の海外市場で一時1.3746フランまで下落
し、ユーロ発足以来の最安値を更新したが、その後一気に1.38フラン前半まで急反発
し、スイス中銀(SNB)による介入の憶測を招いた。
SNBは介入についてのコメントを差し控えた。
市場の一部では、「ユーロ/スイスフランの急反発は、SNBの介入を見込んだヘッジ
ファンドの投機的なユーロ買いの可能性もある」(外銀)との声もあるが、ユーロ/スイ
スフランの反発を受けて、ユーロは対ドルでも反発し、一時1.2010ドルまで上昇し
た。
スイス連邦統計局が8日に発表した5月の外貨準備高は、市場予想を大幅に上回る23
25億フランとなった。これを受けて市場では、「SNBが単独でフラン売りを実施した
としても、ユーロ安の流れは変えられず、効果は限定的」(同外銀)との見方も浮上し、
介入限界説も広がっている。
(ロイター 森佳子記者)