[東京 9日 ロイター] 国際石油開発帝石1605.Tがストップ安となる前日比7万円安の40万6000円で寄り付いた。公募増資による希薄化懸念で大引けまで値がつかない可能性もあるとみられていたが、ストップ安水準に近づくと急速に買いが入った。現在は安値からやや値を戻し40万8000円前後で推移している。
市場では「投資案件がはっきりしているほか、ファイナンス懸念が晴れたということで長期的にはプラス」(外資系証券)との声が出ていた。
国際石油開発帝石は8日、手取り概算で約5900億円の公募増資を決議した。需給に応じて実施するオーバーアロットメントと新株発行により合計130万株を発行し、調達資金はオーストラリア北西部海域で展開するLNG(液化天然ガス)開発プロジェクト「イクシスプロジェクト」に充当する。発行済み株式総数は、現行から約55%増える。
イクシスプロジェクトは、総投資額が約2兆円となる大型のLNG開発案件。INPEXはイクシスのほか、インドネシアのアバディLNGプロジェクトとカザフスタンのカシャガン油田を3大主要プロジェクトと位置付け、3案件に対し、2016年度までの7年間に総額4兆円の探鉱・開発投資を想定している。イクシスプロジェクトはその中でも半分を占める規模となる。