August 12, 2010 / 2:44 PM / 9 years ago

再送:〔焦点〕政府・日銀が円高対応で協調アピール、強まる日銀包囲網

*この記事は12日午後11時43分に配信しました。

 [東京 12日 ロイター] 野田佳彦財務相と白川方明日銀総裁は12日、相次いで進行する円高に警戒感を表明し、政府・日銀の協調をアピールしたが、市場が期待した具体的な対応策を打ち出すことはできなかった。具体策なき協調演出の背景には、円高回避に向けて政府・日銀が連携して対応する準備があることを市場に印象づけるとともに、円高対応の金融政策に距離を置く日銀から、実質的な円高懸念を引き出す狙いが政府側にあったようだ。

 

 政府・日銀は12日、ドル/円が15年ぶりの円高水準で推移し、日経平均株価が一時9000円割れ目前に下落するなか、幹部らが断続的に対応を協議した。夕方には、白川日銀総裁が「為替市場や株式市場」の変動に言及し、「国内経済に与える影響について注意深く見ていく」とする異例の談話を発表。直後には野田佳彦財務相が緊急記者会見を行い、足元の円高進行に対して「昨今の為替動向に重大な関心を持って、極めて注意深く見守っていきたい」と従来よりもけん制トーンを強め、「景気動向を見守りながら、適切な対応をしていきたい」と表明。為替動向について「首相も気にしている」と政府として円高進行に懸念を持っていることを強調した。

 日銀総裁談話の発表と財務相会見を受け、ある政府筋は「日銀と連携ができたことはよかった」と指摘。政府と日銀が連携して対応する準備があることを市場に印象づける狙いがあったことを示唆した。

 

 しかし、市場が期待した為替介入や金融緩和などの具体策は打ち出されず、その後の市場には失望感も広まった。この点について別の政府関係者は、今回の一連の政府・日銀の対応で「大きく円相場が戻るとは見ていなかった」と打ち明ける。市場の失望も想定された中で、あえて発言にとどまる対応をした背景には、動かない日銀に対する政府側の圧力が見え隠れする。

 

 政府内の一部では、白川日銀総裁が10日の記者会見で、景気の先行き対して強気の見方を維持するとともに、円高対応の金融政策運営に距離感を示したことを疑問視する声が出ていたのは事実。今回の日銀総裁談話に対しても、政府内からは「随分そっけない」と不快感を示す声もある。日銀内でも、日銀が為替市場を注視していることがうまく伝わっていないとの懸念があったようだ。こうしたなか、今回の一連の対応では、政府側が積極的に動き、日銀から実質的な円高懸念とも受けとれる談話を引き出した可能性が大きい。

 

 野田財務相は会見で、為替市場介入の可能性について「コメントを控える」と従来の発言に終始した。欧米経済の減速懸念が強まるなかで、政府内からも為替市場介入の困難さを指摘する声が出ており、再び円高が進行する局面では、日銀に対して具体的な行動を求める声が強まる可能性がある。

 財務省在職中に、ゼロ金利政策解除や量的緩和政策で日銀との攻防の前線に立っていた杉本和行・元財務次官は12日、ロイターのインタビューで、日銀に対し、さらなる流動性の供給を検討すべきだとし、「日銀はオーソドックスな中央銀行のあり方にこだわり過ぎている」と批判している。

 

 (ロイターニュース 伊藤純夫記者 吉川裕子記者 児玉成夫記者:編集 石田仁志)

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