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再送:〔焦点〕政府・日銀が3カ月ぶり単独介入、「投機的円高」強調し各国の理解求む
2011年10月31日 / 11:43 / 6年後

再送:〔焦点〕政府・日銀が3カ月ぶり単独介入、「投機的円高」強調し各国の理解求む

*この記事は31日午後8時39分に送信しました。

 [東京 31日 ロイター] 政府・日銀が3カ月ぶりの為替介入に踏み切ったのは、欧州連合(EU)首脳会議で一定の結論が出たにもかかわらず、円相場がその後も高値を更新し続け、市場の「投機色」が強まったと判断したためだ。歴史的な円高の主因だったはずの欧州問題が解決へ向け前進した後も、円高進行に歯止めがかからず、ファンダメンタルズからかい離した投機色が際立てば、各国通貨当局の理解を得やすくなるとの算段もあるようだ。

 

  <21日の円最高値更新、介入のきっかけか>

 

 「総合的に状況を勘案」(政府筋)して行ったという今回の介入には、布石があった。

 

 政府が最初に大きく動いたのは22日。市場の安定を「基本原則」と明記した総事業費23兆円の円高対策を閣議決定した21日の海外市場で、対ドルの円相場は75円後半へ上昇して8月以来の最高値を更新した。安住淳財務相は翌日、すぐに「為替市場で投機的な動きが見られる」と円売り介入へ向けた準備を財務省幹部に指示し、週明け24日にはその事実を公表して市場をけん制。円上昇の歯止めを狙った。

 

 この頃、政府当局者の間にはまだ、EU首脳会議が「きっちりした結論を出せば(円は)少しは戻るのでは」(別の政府筋)との期待感が残っていた。しかし、EU首脳会議が一定の結論に達し、日銀も追加緩和に踏み切った27日夜。欧州の決定を受けて世界的に急反発する株価を横目に、75円台で推移し続ける円相場に、ある政府高官は「あまり反応しないなあ」と肩を落とした。政府の期待が肩すかしに終わった瞬間だった。

 

 その日の深夜、円相場は再び最高値を更新。欧州の決定にもかかわらず「逃避の円高」が収束せず、円相場が戻らないのは、背後に投機マネーの動きがあるためではないか――。政府内では、ギリシャ救済や米国の債務問題に一定のめどがついた後も円高に歯止めがかからず、円売り介入を実施せざるを得なくなった8月と似た見方が広がり始める。そして31日早朝、円は特段の理由なく再び最高値を更新。薄商いの中での最高値更新は「目に余る動き」(五十嵐文彦財務副大臣)として、介入実施の決定打となった。

 

  <海外への「説得力」も重視>

 

 「投機的な動きには断固たる措置を取ると何度も言ってきた。しかし残念ながら、(円相場は)日本の実体経済を何ら反映せず、一方的に投機的な動きが続いていた」。安住財務相は31日午前、為替介入に踏み切った理由を記者団にこう説明し、最近の円高が投機的なものだとあらためて強調した。さらに「為替は国々のその時の実体経済を反映し、そのレートが常識的なところで動かなければ、実体経済をゆがめる」とも述べ、1ドル=75円台と最高値圏を推移する円相場は、投機マネーによって作られたとの認識を前面に押し出した。

 

 10月にパリで行われた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、声明で「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与える」ことを再確認すると同時に、為替介入を念頭に置いたとみられる「市場で決定される為替レート」に対する支持も再表明した。その直後の為替介入に、各国当局者が「いい顔はしない」(政府高官)ことはほぼ確実。野田佳彦首相は3日から行われるカンヌサミットで、歴史的な円高が震災からの回復途上にある国内景気の足かせとなりかねない現状を説明し、長期化する円高に懸念を表明する見通しだが、各国の十分な理解が得られるかは不透明だ。

 

 (ロイターニュース 基太村真司 編集:内田慎一)

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