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MSCB発行で統一ルールを作成、7月にも適用開始=日証協案

 [東京 20日 ロイター] 日本証券業協会は20日、株価に応じて転換価格を修正できる転換社債型新株予約権付社債(MSCB)について、証券会社に課す業界統一ルールの導入を決めた。今年7月にも適用を始める。主な規制として6つの大きな項目に分け、上場株式10%超の株式への転換を禁止するほか、1日平均出来高の25%を超える証券会社による市場売却などの禁止を盛り込んだ。証券会社が発行会社に対し、商品性や適正な情報開示の説明責任を負うことも明記した。

 この統一ルールは、MSCBの発行で資金調達を決めた企業の株価が、転換価額の修正を狙ってヘッジファンドの空売りの対象にされ、株価形成がゆがめられてきたとの問題に対応する措置。MSCBは過度な株価下落を招き、既存株主に損害を与えると問題視された批判に応える意味もある。

 ルールでは、発行の段階で引受証券会社に対し、発行会社の業績推移や財政状況、調達資金の使途の合理性など6つの審査事項を義務付ける。この他、発行会社に対する十分な商品説明と適切な開示要請をするよう指導する責任も課す。 

 証券会社は、1)発行会社が自らMSCBの商品性や発行にともなうメリット・デメリットについて十分理解、2)既存株主に与える影響を十分に考慮したうえでMSCBを選択するよう発行会社の経営者らに十分な商品説明を行う責任を負う、3)発行会社に対して、MSCBを発行する理由や割当先の選定理由、株券の貸借の予定などを充実させ、適切な情報開示を行うよう要請しなければならない──などと義務付けられた。

 日証協の監査などで違反が判明した場合は、過怠金などの処分を科す方針。この規制内容は3月に一般意見を募集し、7月にも適用する予定。

 これらMSCBの発行段階の規制項目のほか、証券会社が買い受けたCBを普通株に転換して売却する流通市場でも、8つの条件を明確に義務付ける。

 具体的には、1)発行会社がMSCBの払込日時点の上場株数の10%(月間べース)を超える株式への転換をさせない、2)MSCBの転換価格を修正する際に、その基準となる株価が一定の日(期間)の終値を参照する場合、相場の大引け前15分間の市場売却も禁止する、3)MSCBを買い受ける証券会社などが事前に転売先になるファンドなどに対し、10%超の転換をさせない条件を確認させる──などとした。

 日証協のルールは、協会員である証券会社に適用され、ファンドなどは対象外となっている。このため日証協は、東京証券取引所など証券取引所に対し、これらの規制を上場企業も認識すべきルールとして通知し、取引所を介して上場企業にルール厳守を求めることで、証券会社以外のファンドなどがMSCBの買受け先となる場合も、協会ルールと同様の規制が適用される環境を整備する。

 日証協では、これらの協会ルールの導入でMSCBの引受けに一定の規律が確保され、発行を決議した後の発行会社の株価形成のゆがみを軽減できるとみている。

 これまで大手証券などでは、各社の社内ルールでMSCBの引受け審査の基準を策定、対応してきたが、業界統一の規制はなかった。

 証券取引等監視委員会は、2月16日付で証券会社の引受け審査を厳正にするため法改正を金融庁に要請しており、改正されれば証券取等監視委員会の検査対象項目にもなる見通し。

 MSCBは、公募増資に比べて機動的に資金調達ができるツールとしてニーズが高まり、2005年度上期にはエクイティ・ファイナンスの過半数を占めるまで発行が増えた。

 日本企業でMSCBが拡大するようになった2003年度下期以降、06年度下期までの間では、公募増資、国内CB、ユーロ円CBといったエクイティ・ファイナンスの累計約11兆7200億円のうち、21%にあたる2兆4500億円がMSCBだった。

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