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〔焦点〕米国で食品価格が急上昇、家計や金融政策に影響も
2007年6月14日 / 04:46 / 10年前

〔焦点〕米国で食品価格が急上昇、家計や金融政策に影響も

 [ワシントン 13日 ロイター] 米国では年明け以降、食品価格が急上昇しており、家計だけでなく、連邦準備理事会(FRB)も難しい対応を迫られるのではないか、との見方が出ている。

 労働省の統計によると、今年1─4月の家計の食料・飲料支出額は、季節調整済み年率で6.7%増加。昨年1年間の2.1%増を大幅に上回った。

 エタノール生産用のトウモロコシの需要拡大、穀物在庫の減少、経済成長に伴う途上国の食品需要などを考えると、食品価格の上昇は今後も続く可能性が高い。

 米国では、個人消費の約15%が食品への支出となっている。

 

 米農務省の需給報告によると、世界の穀物在庫は1970年代以来の水準に落ち込む見通し。

 ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は「穀物供給の減少は異例で、今後に不安を残すが、問題は供給の減少だけではない。エタノール用のトウモロコシ需要を背景に、在庫が予想以上のペースで減少している。トウモロコシの需要拡大を受けて、小麦からトウモロコシに転作する農家も出ている」と述べた。

 穀物は飼料としても利用されるため、穀物価格の上昇は、肉類など他の食品にも影響を及ぼす。

 米国の輸入食品価格は昨年8%近く上昇。家計では輸入食品への支出額も増えている。

 ベアー・スターンズは「輸入物価の上昇が、消費者物価指数(CPI)コア指数を押し上げるのは時間の問題だとみている」とのリポートをまとめた。

 

 <金融政策への影響> 

 FRBは通常、金融政策の運営に際し、季節的な変動の大きい食品・エネルギーを除くコアインフレ率の動向を注視する。

 今年1─4月のCPI総合指数は季節調整済み年率で4.8%上昇。食品・エネルギーを除くCPIコア指数は同2.2%の上昇にとどまっている。

 しかし、金融政策の運営上、食品・エネルギーを含む総合指数の動向を無視することはできない、との見方も出ている。

 経済政策研究センター(ワシントン)の共同ディレクター、ディーン・ベーカー氏は「(食品・エネルギー価格の上昇は)他の商品価格に転嫁されるので、コアインフレ率にも一定の影響を及ぼす」と指摘した。

 賃金増加分の大半が食費の上昇分に消えていることを示すデータもある。

 最新の政府統計によると、食品・飲料価格の上昇率と平均時給の上昇率はともに3.8%となっている。

 エコノミック・アウトルック・グループ(ニュージャージー州)のマネジングディレクター、バーナード・ボーモール氏は「食品の値上げは、購買力に確実に影響する」との見方を示した。

 

 ただ、ガソリンと違い、食品の場合は、消費者が柔軟に対応できるとの見方もある。

 センター・フォー・アメリカン・プログレス(ワシントン)のチーフエコノミスト、クリスチャン・ウェラー氏は、食費の場合は、外食を控えたり、価格の安い商品に切り替えることができるとし、「ガソリンの場合はどうしようもない。ガソリン価格が上がっても、仕事に行かなければならない」と述べた。

 FRBのミシュキン理事は、このほど執筆した論文で、ガソリン価格の上昇が他の分野に波及しつつあるとの懸念を示した。

 「(ガソリン高は)エネルギー以外の財・サービスの生産コストも押し上げている。企業は段階的に消費者にコストを転嫁しつつあり、月間のコアインフレ率を押し上げる可能性が高い」と分析している。

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