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〔FEDフォーカス〕FRBの物価懸念沈静化までの遠い道のり
2007年7月10日 / 06:13 / 10年後

〔FEDフォーカス〕FRBの物価懸念沈静化までの遠い道のり

 [ワシントン 9日 ロイター] 米経済が着実なペースで雇用を創出しているため、インフレに対する米連邦準備理事会(FRB)の懸念が払しょくされるまでには、賃金が上昇していないことを示す証拠と、何カ月かにわたる物価上昇率の鈍化が必要だろう。

 6日に発表された6月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は13万2000人の増加となり、4月と5月の雇用者数増加幅も上方修正された。また失業率は比較的低水準の4.5%にとどまった。

 第1・四半期に低迷した米経済は回復基調にあり、FRBの政策担当者らは、振れの激しいエネルギーや食品を除いたコアインフレ率が複数月連続で2%を下回ることを望むに違いなく、また連邦公開市場委員会(FOMC)は、食品とエネルギー、とりわけガソリン価格の上昇が他の物品・サービス価格に波及するのを確実に食い止めたいところだろう。

 こうしたことはFRBが少なくとも今後数カ月、インフレ沈静化を待ちながらフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標水準を5.25%に据え置くことを意味する。ワコビアの主任エコノミスト、ジョン・シルビア氏は「FRBは年内は金利を据え置くのではないか」と予想した。

 バーナンキFRB議長は10日にインフレに関する講演を行うほか、18日と19日には議会で金融政策についての半期に一度の証言を行う予定。金融市場はこうした機会にFRBのインフレ懸念が和らぎ始めたどうかの手掛かりをつかもうとするだろう。

 

 <コアインフレの改善>

 

 FRBはFF金利の誘導目標水準を1年以上にわたって据え置いており、成長の低迷が物価上昇圧力の緩和に結び付くのを辛抱強く待っている。第1・四半期の米国内総生産(GDP)伸び率が低水準にとどまったことを受けて金融市場では今年、FRBが年内に利下げに踏み切るとの観測が一時的に強まった。しかしFRBは、インフレが緩和しないことが最大の懸念だとのスタンスを変更せず、労働市場のひっ迫がインフレの引き金になる可能性があると指摘している。

 ただ、6日発表の雇用統計では、賃金上昇圧力が幾分高まったとはいえ安定的に推移していることが示された。時間当たり賃金は前年比3.9%増に若干鈍化し、ここ1年間のレンジ内に収まった。

 同時に、経済成長率は現在上向きつつあるが、コアインフレ率は低下傾向にあり、FRBが今後利上げが必要になる可能性を合図しなくなるかどうか、多くの市場関係者が注目している。

 ただ、6月28日に金利据え置き決定を発表した際、FOMCは、インフレ圧力の持続的な鈍化はいまだに納得できる形で示されていない、との見解を示している。

 ウニクレディト・マーケッツ・アンド・インベストメント・バンキングのエコノミスト、ハーム・バンドホルツ氏は顧客向けノートで、時間当たり賃金がかなり安定的な数値となったことで、コスト上昇圧力に賃金の及ぼす影響が過小評価されていると指摘する。「失業率が(インフレを加速させない)自然失業率をなお大きく下回っている状況下で、労働コストインフレは引き続き加速する」と同氏は予想している。

 

 <エネルギー、食品価格の上昇>

 

 労働市場ひっ迫への懸念に加えて、FRBは消費者物価指数(CPI)全体を押し上げている食品・エネルギー価格の急激な上昇についても不安に思う可能性がある。

 5月の米CPI上昇率は0.7%で、1年半ぶりの高い伸びとなった。エネルギー価格は4カ月連続で上昇しており、ガソリン価格は10.5%急騰した。食品価格も年初から年率で6.2%上昇しており、06年通年の上昇率(2.1%)の3倍近くになっている。

 ゴールドマン・サックスの米国担当主任エコノミスト、ジャン・ハチュース氏は「(CPI)総合指数の低下につながる食品とエネルギー価格の安定が実現し、成長率がなおトレンドもしくはトレンドを若干下回るペースにとどまれば、そのときは恐らくFRBももっと満足するだろう」と語った。

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