[シンガポール 3日 ロイター] 3日のアジア通貨市場では、ルピアIDR=が8カ月ぶりの高値をつけた。
インドネシア中銀の利下げにより、同国の株式市場に資金が流入するとの見方が浮上している。
タイバーツTHB=THは、中銀のドル買い介入で伸び悩む展開となっている。
アジア株は世界経済が底入れしたとの期待から8カ月ぶりの高値をつけた。市場では、米住宅統計の改善を受けてリスク志向が強まっており、ドルが豪ドルや英ポンドに対して年初来安値をつけた。
インドネシア中央銀行は3日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ7.00%とした。市場では、追加利下げの可能性があるとの見方が出ている。
市場関係者は、金利低下でインドネシア株式・債券市場への資金流入が進むと予想。ルピアは今年、株式・債券市場への資金流入を背景に値上がりしている。
ウェストパックのストラテジスト、ショーン・キャロウ氏は「ルピアは、株式市場への資金流入や海外直接投資に敏感に反応する通貨だと考えられているのかもしれない。どちらも金利低下は支援材料になる」と述べた。
ルピアは一時0.8%高の1ドル=1万0165ルピアまで上昇。2008年10月下旬以来の高値をつけた。利下げ発表前は1万0180ルピアだった。
ルピアは対ドルの年初来上昇率が8%と、アジア通貨では最高の上昇率を記録している。
ドル/ルピアのノンデリバラブル・フォワード(NDF)1年物IDRNDFOR=は1万0818ルピア。予想下落率は6%で前日とほぼ変わらず。
タイバーツは対米ドルTHB=THで0.6%高の33.91バーツと8カ月ぶり高値をつけた。その後中銀の介入で34バーツ近辺まで押し戻された。
中銀当局者は介入を実施したことを確認したが、バーツ高は引き続き、他のアジア通貨の堅調な基調に合致しているとの見方を示した。
トレーダーによると、中銀は対ドルで34バーツ水準を守ろうとしている。
世界景気の回復見通しによる資金流入で、アジア各国通貨はこのところ上昇、バーツも3月初旬から6%上昇した。
市場参加者によると、台湾、韓国、シンガポール、フィリピンの中銀もここ数日、輸出業者を支援するため、自国通貨高の抑制に向け介入を実施したという。
*0616GMT(日本時間午後3時16分)時点のアジア各国通貨の対米ドル相場は次の通り。
シンガポールドル 1.4362
台湾ドル 32.456
韓国ウォン 1232.10
タイバーツ 34.00
フィリピンペソ 47.23
インドネシアルピア 10165.00
インドルピー 46.84
マレーシアリンギ 3.4780
人民元 6.8286
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