April 22, 2010 / 7:03 AM / 10 years ago

訂正:〔焦点〕米FRB、夏にも大規模リバースレポ開始の可能性

訂正:原文の訂正により、本文最終段落のアナリストの社名および肩書きを「ユナイテッド・オーバーシーズ・バンクのシニア債券エコノミスト」から「OSK─DMGのチーフエコノミスト」に訂正します。

 [ワシントン 21日 ロイター] 米経済に回復の兆しがみられるなか、連邦準備理事会(FRB)は、夏にも金融システムからの流動性吸収を開始する可能性がある。

 アナリストは、FRBが夏にも大規模なリバースレポ(FRBが保有資産を買い戻し付きで売却するオペ)を通じて、超過準備を減らすことに着手すると予想している。

 重要なことは、政策金利を「長期間」低水準に維持するという連邦公開市場委員会(FOMC)声明における時間軸の文言を削除する前に、FRBがリバースレポを開始するという点だ。つまり、リバースレポは、FRBの出口戦略に向けた最初の一歩といえる。ただこうした動きがまったくのリスクを伴わないとは言い切れない。

 ニューヨーク連銀のダドリー総裁は「長期間」という文言を削除する前に、リバースレポのテストを行う可能性があると述べている。昨年の10月には試験的に実施し、市場ではFRBが流動性吸収に乗り出すとの観測が広がった経緯がある。

 借り入れコスト上昇に対する警戒感が高まるなか、FRBがあいまいな形で試験を行えば、それは引き締め措置に向けたサインと受け止められ、株式や債券市場の混乱につながるだろう。

 RBSセキュリティーズの米エコノミスト、オメイル・シャリフ氏は「実施は7月になると予想している。大切なことはコミュニケーション(市場との対話)で、この点でFRBは先回りしなければならない」と述べた。

 

 リバースレポでは、FRBはプライマリーディーラーから資金を借り入れるという形で金融システムからの資金吸収を行う。ただ、これによりFRBは、短期金融市場の他の投資家と同じようなリスクにさらされるとの指摘がある。

 カーネギー・メロン大学のマービン・グッドフレンド経済学教授は、オペを行うためにFRBは民間部門との契約を余儀なくされ、結果的にFRBの独立性が危険にさらされると指摘する。

 さらに、リバースレポには、いわゆるイベントリスクも伴う。仮に流動性吸収のためのレポに十分な需要がなければ、FRBがうまく出口戦略が実行できるかどうかをめぐり投資家の不安が広がり、インフレ高進や金利上昇を引き起こす可能性がある。

 

 <いかなるサインにも市場は敏感>

 

 FRBが大規模のリバースレポをいつ開始するかについては見方が分かれている。ロイターが4月初旬に実施した調査によると、プライマリーディーラー13社のうち6社は、試験ベースでない実際の大規模なリバースレポが夏までには行われると予想している。

 引き締めを示唆するようないかなるサインにも市場が敏感になっていることは既に証明済みだ。2月に公定歩合が引き上げられた際に市場はこれを小幅ながらも引き締めに向けた一歩と受け止め、借り入れコストは一時的に上昇した。

 FRBは、金融危機時に買い入れた住宅ローン担保証券(MBS)の一部をリバースレポの担保に含めることを検討している。

 レポの頻度や規模については様々な見方がある。期間は通常オーバーナイトだが、最長65日になる可能性もある。

 カンバーランド・アドバイザーズのボブ・アイゼンベイス主席金融エコノミストは「まず小規模で行い、次第に規模を拡大するだろう。レポにより国債利回りに上昇圧力がかかるだろう。これもレポを小規模からスタートする理由のひとつ」と語った。

  

 <付利金利の引き上げ>

 

 なぜリバースレポが必要なのかという点については、未知の領域で政策運営を行っているFRBにとり、リバースレポが安全策になり得るとの指摘がある。

 金融危機を受け、超過準備は約50億─80億ドルから1兆1000億ドルに膨れ上がっており、FRBでは、超過準備預金に支払われる金利(IOER)を引き上げても、FFレートがそれに反応しないとの懸念が一部にある。

 マルタ・オン・ザ・マーケッツの首席市場ストラテジスト、T・J・マルタ氏は「政策当局者は、こうした最新手段を本格的に使用しなければならなくなる前に、その運営メカニズムを緩めておきたいのだろう」と指摘する。

 仮に金融システムに低い借り入れコストの資金があふれているとしたら、単に借り入れのコスト上昇を伝えるだけでは、金融機関がより低金利の資金を求めることを十分には防げないかもしれない。金融機関は民間市場から低コストで資金を調達するか、あるいは、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)FNM.Nや連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)FRE.Nなどの政府系住宅金融機関(GSE)から資金を調達する可能性がある。GSEは、FRBに余剰準備を預け入れて利息を得ることができない。

 OSK─DMGのチーフエコノミスト(訂正)、トーマス・ラム氏は「超過準備を吸収する一方で、効果的なFFレートを維持することは不可能」と指摘。「問題は、フレディマックとファニーメイがFF市場で主要な資金の出し手となっており、実質的なFFレートが超過準備預金に支払われる金利を下回った場合、その責任の多くがフレディマックとファニーメイにあるという点だ」と指摘した。

 (Pedro Nicolaci da Costa 記者;翻訳 伊藤恭子;編集 村山圭一郎)

(kyoko.ito@thomsonreuters.com; 03-6441-1379; kyoko.ito.reuters.com@reuters.net)

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