[シンガポール 23日 ロイター] アジア通貨市場はまちまち。引き続き世界的な市場混乱を背景に米ドル買いが優勢となっているが、各国中銀もドル売り介入に踏み切っている。
シンガポールドルは今週1週間で対ドルで4.3%下落し、過去最大の下げを記録。台湾ドルは同2.6%安と、1999年2月以来の大幅な下げとなった。
こうした流れを受け、アジア各国の中銀は自国通貨安を食い止めるため、相次いでドル売り介入を実施したもよう。
韓国財務省と中銀は、通貨防衛に措置を講じると表明、その後市場介入に踏み切った。2人の市場関係者によると、韓国当局による介入規模は推定約40億ドル。
市場筋の推定よると、各国のドル売り介入額はインド中銀が5億ドル、台湾中銀とインドネシア中銀が3億ドルとなっている。
韓国ウォンKRW=KRW=KFTCは1.3%高で引けた。当局が取引終了間際にも介入を行ったもよう。
市場筋によると、当局はそれまで1ドル=1195ウォンを超える下落回避のために介入を実施していた様子だったが、引け数分前にドルを投げ売りしたとみられ、断固としてウォンを守る決意を示したとみられている。
ソウルの外銀ディーラーは「介入は本当にショックだった。世界的なリスク選好を考えれば、当分の間はウォンがこれより大きく反発するとは思えないが、今回の介入は当局に対する恐れを強めさせるのには十分だった」と述べた。
シンガポールドルSGD=SGD=D3は対ドルで0.8%高。中銀の代理で銀行がドル売り介入を行ったもよう。
マレーシアリンギ MYR=MYR=MYは弱含み。市場筋によると、マレーシア中銀は1ドル=3.1790リンギの水準でドル売り介入を実施したもよう。
インドネシアルピアIDR=IDR=ID市場は、ドルの流動性が薄く取引は低調だった。市場筋によると、インドネシア中銀は取引開始時直後からドル売り介入を行ったもよう。
*0800GMT(日本時間午後5時)現在のアジア各国通貨の対米ドル相場は以下の通り。
シンガポールドル 1.2956
台湾ドル 30.388
韓国ウォン 1164.90
タイバーツ 30.82
フィリピンペソ 43.59
インドネシアルピア 8760.00
インドルピー 49.31
マレーシアリンギ 3.1715
人民元 6.3897