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アングル:IMF、バイデン政権は対米関係立て直しのチャンス

[ワシントン 11日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は、米大統領選でバイデン前副大統領の勝利が確実となったことで、最大の出資国である米国との関係を立て直し、世界規模の経済回復計画で気候変動問題への取り組みの比重を高めるチャンスを手に入れた。

11月11日、国際通貨基金(IMF)は、米大統領選でバイデン前副大統領の勝利が確実となったことで、最大の出資国である米国との関係を立て直し、世界規模の経済回復計画で気候変動問題への取り組みの比重を高めるチャンスを手に入れた。写真はIMFのロゴ。ワシントンで2017年4月撮影(2020年 ロイター/Yuri Gripas)

IMFのスポークスマンによると、ゲオルギエワ専務理事は今週、バイデン氏と、次期副大統領就任が確実になったハリス氏に「私的な」書簡を送った。具体的な内容は明かさなかった。IMFは選挙が決着するまで公式コメントを避けるのが普通だ。

ゲオルギエワ氏の政策目標に詳しい複数の関係者によると、バイデン氏は国際機関に関与し、温暖化対策の枠組みである「パリ協定」に復帰する方針を示しており、IMFの目標に向けた前進に追い風が吹くのは間違いない。

バイデン氏の政権移行チームは、ゲオルギエワ氏やIMFとのやり取りについての質問に答えなかった。

IMF筋によると、加盟国の間にはIMFの拠出金増資に反対するトランプ政権の方針をバイデン氏が見直すとの期待もあるという。

ムニューシン財務長官はIMFの増資などに反対している。IMFが前回増資を行ったのは2009年の世界金融危機の際で、バイデン氏は当時、オバマ政権で副大統領を務めていた。IMFが中国など新興国の出資比率を引き上げたのもバイデン氏が副大統領だった時期に重なる。

このIMF筋は「出資比率については、この課題が再び俎上に上るという強い期待を持っている」と述べた。その上で、過去の経験に照らすと米国でどの政党が政権を握ろうとも出資比率見直しは厄介な問題になるとの見通しを示した。

<新たなアプローチ>

ゲオルギエワ氏は講演の際にほぼ毎回、「もっと環境に優しく、もっとスマートで、もっと公平な」グローバル経済の構築に財政支出を充て、地球温暖化ガスの排出を減らすべきだと訴えている。バイデン氏の移行チームは「ビルド・バック・ベター(より良き再建)」というスローガンを掲げており、目標はIMFと一致する。

一方、トランプ政権は20カ国・地域(G20)首脳会議の共同声明に気候変動問題を盛り込むのを阻止している。

ゲオルギエワ氏は貧困国を対象にした債務返済凍結措置を新型コロナウイルス禍に直撃された重債務小国に広げることをG20に求めているが、この件でも抵抗に遭っている。

別の関係筋によると、ゲオルギエワ氏は12日に開かれるパリ平和フォーラムにおける各国指導者との会談で、グリーンエコノミー向け公共投資の必要性を強く訴えるという。

非営利組織ジュビリーUSAネットワークのエリック・ルコント氏によると、IMFは米国の次期大統領の手を借りて、気候変動や増資、包括的な債務再編メカニズムなど、より厄介な課題に取り組みを強めたいと切望している。ルコント氏は「過去半年間に大きな進展があり、多くの出来事があったが、新型コロナ危機への対応速度は十分ではない」と指摘した。

(David Lawder記者、Andrea Shalal記者)

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