[ワシントン 11日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は11日に公表した報告書「財政モニター」で、世界各国で国内の所得格差が問題となる中、政府は税制や所得移転を通じた富の再配分を真剣に検討すべきだとの見解を示した。
中国やインドなどの経済発展により、諸国間の格差はここ数十年で縮小したが、米国や中国などの大国を中心に、国内の貧富の差は急速に拡大している。
IMFは、格差があまりに拡大すれば経済成長が抑制されるほか、政治の二極化も招くと警告した。
その上で「累進課税や所得移転は効果的な財政再配分の主要な要素だ」との見方を示し、「税制理論では、最高所得者層の税率を現行より大幅に引き上げることが最適であることが示されている」とした。
また、経済協力開発機構(OECD)における所得税の最高税率は2015年時点で平均35%と、1981年の62%から低下したと指摘した。
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