October 8, 2019 / 11:47 PM / in 5 days

世界経済の「同時減速」、行動しなければ悪化も=IMF新専務理事

[ワシントン 8日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ新専務理事は8日の講演で、世界経済は「同時減速」しており、各国政府が貿易摩擦の解消や景気支援に向けて手を打たなければ、一段と悪化するとの見解を示した。

 10月8日、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ新専務理事は講演で、世界経済は「同時減速」しており、各国政府が貿易摩擦の解消や景気支援に向けて手を打たなければ、一段と悪化するとの見解を示した。写真は就任初日、IMF本部に到着して記者団に話すゲオルギエバ。10月1日、ワシントンで撮影(2019年 ロイター/Jonathan Ernst)

貿易摩擦は世界中の製造業と投資活動を「大幅に弱めた」と指摘し、「サービス業と消費にも近く影響が及ぶ深刻なリスクがある」と警鐘を鳴らした。

貿易摩擦の累積的な影響は、2020年までに世界の国内総生産(GDP)の約0.8%に相当する7000億ドルが失われるとの試算にも言及。「このシナリオ通りとなれば、スイス経済が一つ失われるということだ」と続けた。[nL3N26T17R]

来週に開かれるIMFと世界銀行の年次総会でこの試算を含む新たな経済見通しが示されるとみられる。

試算は、米政府が発動を一部延期した、約3000億ドル分の中国製品に対する追加関税を踏まえている。ゲオルギエバ氏は、GDPを減少させるとみられる主な要因として、企業景況感の悪化、サプライチェーン(供給網)の崩壊による生産性の低下、そして市場の後ろ向きな反応を挙げた。

「2019年は世界の90%近くで経済成長が減速すると見込む。世界経済は現在、同時減速している。つまり、今年の成長率は2010年代初め以降で最も低くなるだろう」と指摘。米中貿易摩擦が勃発する以前の今から2年前は、世界のGDPの約75%を占める国・地域で経済成長率が加速していたとし、現在の状況は全く対照的だとも述べた。

ブルガリア出身で世界銀行のナンバー2である最高経営責任者(CEO)を務めたゲオルギエバ氏は、今月1日に現職に就いた。

講演で同氏は、貿易の伸びは「ほぼ停止」したとの見方を示すとともに、貿易の裂け目はサプライチェーンの崩壊や貿易部門の分断、各国にITシステムを巡る選択を強いる「デジタル版ベルリンの壁」といった変化をもたらし、その影響は長引く可能性があると警告。

貿易を巡り補助金や知的財産権保護、技術移転といった問題に対処し、世界の貿易ルールを持続可能な形に改正するよう各国に協力を呼びかけた。

また、各国が貿易摩擦を問題視せず、その解消や景気支援に向けて行動を取らないことが大きなリスクだと説明。「世界は減速しているが停止はしていないため、それほど悪い状況ではない。ただ、今行動しなければ、一段と大規模な減速に見舞われるリスクがある」と強調した。

世界経済の同時減速が悪化すれば、2008─09年の金融危機時に実施された刺激策と同様の「世界同時の政策対応」が必要になるかもしれないと語った上で、各国中銀に必要に応じて低金利を維持するよう求めた。一方で、低金利は過度な信用拡大や高リスク投資を促し、金融の脆弱性を高める可能性があるとした。

大規模な景気悪化が起きた場合、デフォルト(債務不履行)のリスクがある企業債務は19兆ドルと、8つの経済大国の債務総額の4割近くに達し、「金融危機時の水準を上回る」との試算も示した。

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