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[ヌサドゥア(インドネシア) 12日 ロイター] - インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は12日、同国のバリ島で開催された国際通貨基金(IMF)・世銀会合で、出席した世界の中銀当局者や財務相らに対して、世界経済のリスクへの警戒を呼び掛けた。
大統領は演説で、協調を維持するよう訴えたほか、世界経済が直面するリスクの抑制に向けて「それぞれの国のリーダーを正しい方向に導くべきだ」とも述べた。
大統領は世界経済が直面するリスクについて、架空の王国を舞台に複数の名家が覇権を争う米HBOテレビドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」になぞらえて説明。「世界経済が抱えるあらゆるトラブルは、われわれに『冬来たる』と言わせるに十分だ」と述べた。
世界金融危機後の10年間に世界経済の対立が深まっており、「状況は10年前の世界金融危機時よりも深刻になる可能性がある」と警告した。
大統領は国名の名指しは避けたが、米中貿易戦争激化や先進国の金融政策引き締めの影響が懸念される中、インドネシアのような新興国市場は、大荒れの市場に打ちのめされていると述べた。
「最近の主要先進国同士の関係は、ますますゲーム・オブ・スローンズに近づいているようだ」と指摘。「互いに戦い、競い合うのに忙し過ぎて、貧富、あるいは大小にかかわらず、われわれすべてに等しく、状況の脅威が増していることに気が付いていない」との考えを示した。
その上で、「貿易戦争、技術的な混乱、市場の動揺の打撃を和らげる」よう財務相や中銀当局者らに求めた。
「対立と衝突の代償は悲劇的」だとも述べた。