October 7, 2018 / 11:45 PM / 9 days ago

焦点:インドの農業危機、「モディ首相離れ」広がるか

[ムンバイ/ニューデリー 4日 ロイター] - インドの農業生産者は、燃料や肥料の価格が高騰する一方で農産物が値下がりするダブルパンチに見舞われ、経営が危機的状態に陥っている。生産者の間では手をこまねくばかりの政府への怒りが高まって「モディ離れ」が進んでおり、来年の総選挙でモディ首相再選を阻む要因になりかねない。

10月4日、インドの農業生産者は、燃料や肥料の価格が高騰する一方で農産物が値下がりするダブルパンチに見舞われ、経営が危機的状態に陥っている。ニューデリーで2日行われた農家によるデモ(2018年 ロイター)

ニューデリーでは2日、生産者が農産物価格の引き上げを求める抗議行動を展開。警察が催涙弾や放水車を繰り出す騒ぎになった。当局者が話し合いに応じ、抗議行動はいったん中止されたが、生産者が矛を収めたわけではない。

農業生産者団体の幹部は「中止を決めたが、政府が農家の懸念に対して真剣に取り組んでいないという考えに変わりはない」と述べた。

今年に入ってディーゼルは26%値上がりし、肥料のカリとリンもこの1年間でそれぞれ15%、17%近く上昇した。世界的な原材料価格上昇とルピー安が背景で、インドの農業生産者2億6300万人は大幅なコスト増に見舞われた。

インドはコメや小麦などの生産が世界2位の農業大国だが、カリはは全量、リンは90%近くを輸入に頼っている。

農業は国内総生産(GDP)の約16%を占めており、労組幹部は農産物価格を引き上げ、農業に補助を行ってコスト上昇に歯止めを掛けるべきだと指摘する。

農業の生産効率が大幅に向上したのも危機の一因になっている。機械化や生産量の多い品種の導入、殺虫剤の普及で収穫量は増えており、ほんとの作物で収穫量が毎年、過去最高を更新している。

レンズ豆など豆類は、6月末までの1年間の生産量が2451万トンと前年の2313万トンから増加し、カナダやオーストラリア、ロシアなどからの輸入が減った。

生産量は他の作物でも拡大している。インドは2018/19年度にはブラジルを抜いて世界最大の砂糖生産国となりそうだ。たた、国内の砂糖価格は生産拡大のあおりで15%も下げている。

一方、競合する海外の生産国はインドの農業補助政策を批判しており、インド政府は危機対応に苦慮している。政府は先週、輸送コスト補助や砂糖輸出促進策といった農業支援策を打ち出したが、さっそくブラジル、タイ、オーストラリアなど海外の生産国が抗議した。

タマネギ、キャベツ、トマトなどの野菜類も生産過剰の影響により、昨年に比べて25%値下がりした。保冷トラックが不足し、余剰生産が出ても保管できない。

牛乳も過去1年間で国内の価格が25%下落したが、供給が世界的にだぶつき、インド産には競争力がないのが実情だ。

(Rajendra Jadhav、Mayank Bhardwaj記者)

10月4日、インドの農業生産者は、燃料や肥料の価格が高騰する一方で農産物が値下がりするダブルパンチに見舞われ、経営が危機的状態に陥っている。アーメダバード近郊のトマト農場で2月撮影(2108年 ロイター/Amit Dave)

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