March 3, 2018 / 3:33 AM / 7 months ago

コラム:インド、次の段階の成長に必要な要素とは

[ムンバイ 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] - インド政府が28日に発表した昨年10─12月の国内総生産(GDP)は前年同期比7.2%増となり、経済成長が1年余りの減速局面を抜け出した後に順調に加速していることが示された。インド経済は、高額紙幣廃止や物品サービス税導入といったモディ首相のショック療法を背景に持ち直しが続いている。だが一段と高い成長を実現できるかどうかは疑わしい。そのために必要な要素が欠けているからだ。

 2月28日、インド政府が発表した昨年10─12月の国内総生産(GDP)は前年同期比7.2%増となり、経済成長が1年余りの減速局面を抜け出した後に順調に加速していることが示された。写真はムンバイで2017年11月撮影(2018年 ロイター/Danish Siddiqui)

今回のGDPは企業投資と個人消費がいずれも上向き、成長率は中国を抜いて世界首位に返り咲いた。国際通貨基金(IMF)は2019年の成長率が7.4%になると見込んでおり、いかにも素晴らしい数字に思われる。しかしインドが持つ潜在力や、求められている成長率には及ばない。毎月100万人もの若年層が労働市場に新規参入している同国では、十分な雇用を創出するには2桁近い成長率が必要だ。

懸念の1つは、果たして銀行には企業の需要が上向いたときに後押しするだけの融資能力があるかどうかだ。パンジャブ・ナショナル銀行による約20億ドルもの不正取引公表で、不良債権処理の取り組みへの信頼感は損なわれた。もしこの不正事件がより根深い問題の一端であったとすれば、政府は銀行セクター救済のために投入する金額を予定の320億ドルから大きく増やさなければならないし、銀行はさらに長い間大型融資に尻込みしてしまう。

また、インドの政治家の内向き志向も不安の種だ。モディ氏は1月のダボス会議で、保護主義の台頭をテロリズムになぞらえた。ところが数日後、モディ政権は自動車部品や携帯電話の輸入関税を引き上げ、米国との間で貿易摩擦が大きくなってしまった。通商面での関係悪化はインドの輸出量に打撃を与え、輸入価格が上昇すれば消費者にも悪影響を及ぼすことになる。

モディ氏は国内製造業のテコ入れに熱心だが、かつて先進国が世界に門戸を開く前に頼りにしたのと同じ成長モデルをインドはもう利用できないかもしれない。現在のサプライチェーンは以前よりもグローバルにもなっている。

インドが経済成長を次の段階に高めていくには、通商面での障壁を引き下げることと、銀行機能の健全化が必須といえそうだ。

●背景となるニュース

*28日に発表された10─12月のGDPは前年同期比7.2%増加した。

*発表された数字は、ロイターによる35人以上のエコノミストによる予想の6.9%を上回った。

*GDPは7─9月に6.3%増となり、5四半期連続で減速が続いた後でようやく加速した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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