December 16, 2019 / 5:49 AM / a month ago

アングル:抗議活動広がるインド国籍法改正の問題点

[ムンバイ 13日 ロイター] - インド政府が、パキスタンやバングラデシュ、アフガニスタンといった周辺イスラム諸国で迫害されて2015年以前にインドに逃れてきたヒンドゥー教徒、仏教徒、キリスト教徒などの宗教的マイノリティーに市民権を与える新たな法律を導入したことで、国内に暴力的な抗議活動が広がっている。

コビンド大統領が12日遅くにこの「国籍法改正法案」に同意し、正式に法制化された。

抗議の動きは北東部アッサム州全域で始まり、何千人もの不法移民が合法な市民となってしまうとの批判の声が上がった。

一部のイスラム教徒も、市民権付与対象にイスラム教徒が含まれないのは、インド社会の世俗主義的な基盤を損なうものだと訴えている。

一方、国籍法改正は、支持層であるナショナリストのヒンドゥー教徒をてこ入れするためにモディ首相が掲げてきた重要な選挙公約の1つだった。

以下に国籍法改正の問題点を示した。

<議会でどのように支持を集めたか>

モディ氏は、与党・インド人民党(BJP)が周辺イスラム3カ国で宗教上の理由から迫害を受けてきた6つの宗教の人々に市民権を認めると約束し、BJPに属する議員が法案に賛成票を投じた。

<批判派の言い分>

政府が強硬なヒンドゥー主義者のために、イスラム教徒の定住を妨害する目的で国籍法改正を進めたという。

<市民権付与の対象外>

野党は、全人口の15%近くを占めるイスラム教徒だけを市民権付与の対象から外したのは差別的だと主張している。政府の説明では、パキスタン、アフガニスタン、バングラデシュの3カ国はイスラム教徒が多数派を占めているので、イスラム教徒は迫害を受けるマイノリティーとみなされない。

<苦境に陥る人々>

人権団体によると、モディ政権を支持する議員らは、北東部アッサム州に居住し、インド市民だと文書で証明できない数千人のイスラム教徒を国外に退去させる措置を正当化するため、法案を承認した。

<法に内在する矛盾>

バングラデシュやパキスタン、アフガニスタンから逃れてきた宗教的マイノリティーがなぜ、スリランカやミャンマーで迫害されてインドにやってきたイスラム教徒よりも優遇されるのかが明記されていない。

 12月13日、インド政府が、パキスタンやバングラデシュ、アフガニスタンといった周辺イスラム諸国で迫害されて2015年以前にインドに逃れてきたヒンドゥー教徒、仏教徒、キリスト教徒などの宗教的マイノリティーに市民権を与える新たな法律を導入したことで、国内に暴力的な抗議活動が広がっている。写真はインド・ニューデリーで12日、、国籍法改正法案を喜ぶパキスタンからの移民たち(2019年 ロイター/Anushree Fadnavis)

<今後の展開>

国籍法改正を巡っては、イスラム系政党や弁護士、人権団体などが最高裁判所に無効化を申し立てている。世俗主義を定めた憲法に違反するとの理由だ。

インド国内の有力な法曹関係者や学者、有名俳優など500人余りが法律を非難する声明に署名している。

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