[チェンナイ(インド) 2日 ロイター] - インド南部のタミルナド州で100年以上ぶりとされる豪雨が発生し、州都チェンナイでは数千人の住民が避難し、工場が一時閉鎖されたほか、空港機能がまひするなどの事態となっている。
民間気象予報会社のスカイメットによると、チェンナイでは24時間以内の降水量が例年の12月1カ月分の2倍に達したという。気象専門家によると、豪雨の原因は北東の季節風。チェンナイには他の都市と同じく、適切な排水機能が準備されていない。
同国第4位の主要都市であるチェンナイは、自動車工場や情報技術(IT)業界のハブとなっている。自動車メーカーでは米フォードF.Nや独BMWBMWG.DE、情報技術(IT)大手ではインドのインフォシスINFY.NS、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)TCS.NSや米コグニザント・テクノロジー・ソリューションズCTSH.Oなどが拠点を置く。
チェンナイ周辺は自動車メーカーが集積していることから「インドのデトロイト」として知られ、複数の工場が1カ月未満で2度目の一時閉鎖に追い込まれた。
フォード、ダイムラーDAIGn.DE、日産自動車などは2日、従業員に自宅待機を命じた。
ルノー・日産インディアRENA.PA7201.Tの広報担当者は、工場にダメージはなく、状況が改善すれば操業を再開するとの方針を示した。
郊外にある数千の工場は浸水被害により操業停止を余儀なくされ、電力供給に支障が出ている。停電は今後1日は続く見通し。
当局によると、チェンナイ国際空港では少なくとも滑走路1本が水没し、現地時間2日朝時点で約25便が欠航となった。
国家防災委員会の幹部、アヌラグ・グプタ氏は「救助活動は開始したが、水没した空港や主要幹線道路の復旧が最大の課題だ」と述べた。
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