[ロンドン 29日 ロイター] - 国連が29日発表した「世界人口予測」によると、インドは数年のうちに中国を抜き、世界最大の人口を抱える国になる見通しだ。中国とインドの人口はともに10億人を上回るが、これまでの予測より6年早い2022年には首位が逆転するとした。
人口が急増するナイジェリアは2050年ごろ米国を抜いて世界3位となる見通し。
世界の人口は現在73億人で、予測によると2050年に97億人、2100年に112億人に達する。
人口の伸びは途上国に集中し、特にアフリカで顕著だと報告書は指摘する。専門家によると、今後35年間の人口増加の半分以上をアフリカ諸国が占めるとみられ、このうち10カ国(アンゴラ、ブルンジ、コンゴ共和国、マラウイ、マリ、ニジェール、ソマリア、ウガンダ、タンザニア、ザンビア)では2100年までに人口が5倍以上に増えるという。
国連の人口部門の責任者ジョン・ウィルモス氏は、人口の伸びが貧困国に集中することで、貧困や飢餓との戦い、教育や医療の問題への対応が難しくなるとの見方を示した。
また、世界の大半の地域で高齢化が進み、世界の80歳以上の人口は2050年には3倍以上、2100年には7倍以上に増える見通し。先行する欧州では2050年までに人口の3分の1が60歳を超えると予測される。
これに対し、アフリカでは15歳未満の子どもが人口の40%を占めている。同報告書は「この地域が今後数十年の世界人口の規模や分布の形成に中心的役割を果たすだろう」と指摘した。
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