[ニューデリー 19日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長は19日、「われわれはWTOの内外で多く課題に直面している」と語った。2日間にわたって開かれるWTO非公式閣僚会合のため訪問したニューデリーで、記者団に語った。
アゼベド事務局長は、世界的な貿易環境が極めてリスクの高い状況にあると分析し、WTOが加盟国と「開かれた誠実な態度」での対話を求めてきたと説明した。
インド商工省幹部によれば、中国、日本、インド、韓国を含めたWTO加盟国は米国による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限に抗議する可能性が大きい。ただ、最終的な姿勢は20日の議論を経て明らかになる見通し。
インドのプラブ商工相は、米通商代表部(USTR)のシェイ次席代表(WTO大使)も参加する同会合が、多国間の手続きを前進させることを期待すると表明した。貿易戦争の恐れがある中、昨年12月にはブエノスアイレスでWTO閣僚会議が開かれたが、成果を出せずに終わっていた。
アゼベド事務局長はまた、「米国は(WTOにおける)機能の改善や改革を求めており、米国との対話は続いている」と説明した。
インド政府は米国の輸入制限に関して、トランプ政権と直接対立することで米国へのソフトウエア輸出に悪影響が出ることを懸念。一部のインド企業は政府に対し、WTOに提訴するのではなく、他の米国の同盟国とともに除外措置を求めるよう提案している。
*内容を追加しました。
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