[ジャカルタ 20日 ロイター] - インドネシア中央銀行が発表した2022年の経常収支は132億ドルの黒字となった。国内総生産(GDP)比で1%の黒字。コモディティー価格の高騰で輸出が好調だった。
世界銀行のデータによると、経常黒字の対GDP比は2009年以来の高水準。
中銀は「世界的なコモディティー価格の上昇とインドネシア産コモディティーの好調な需要継続を背景に輸出が増加したことが主因だ。国内経済の回復に伴って輸入も増加した」と表明した。
経常収支が黒字だったことを受けて、ルピアも昨年、対ドルで比較的安定して推移した。
22年のモノの輸出は過去最高の2919億8000万ドル。貿易黒字も過去最高の544億6000万ドルだった。
インドネシアはパーム油と一般炭の世界最大の輸出国。スズ、銅、ゴム、ニッケル製品の主要輸出国でもある。
バンク・セントラル・アジアのエコノミスト、デービッド・スミュアル氏は、主力のコモディティー価格が過去数カ月で鈍化しており、今年は高水準の経常黒字を見込めない可能性があると指摘。
「今年の輸出は昨年ほど好調にはならないだろう。国内経済も改善しており、輸入も増える」と述べた。今年の経常収支はGDP比で0.5%前後の赤字になる可能性があるという。
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