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ロイター/INSEADアジア企業景況指数、第2四半期は3年ぶり高水準
2017年6月21日 / 04:21 / 5ヶ月後

ロイター/INSEADアジア企業景況指数、第2四半期は3年ぶり高水準

[上海 21日 ロイター] - トムソン・ロイターがINSEADと共同で実施したアジア企業景況調査によると、第2・四半期のアジア主要企業の景況感は3年ぶりの高水準となった。全域で経済指標が好調だったほか、中国経済の健全性を巡る懸念が和らいだ。

 6月21日、トムソン・ロイターがINSEADと共同で実施したアジア企業景況調査によると、第2・四半期のアジア主要企業の景況感は3年ぶりの高水準となった。上海で2013年11月撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)

調査対象101社の第2・四半期のロイター/INSEADアジア企業景況指数.TRIABSRACSIは74と、第1・四半期の70から上昇した。50が景況の改善と悪化の分岐点となる。

INSEADのアントニオ・ファタス教授(経済学)は「世界経済は堅調さを増しているようだ」との見方を示し、「米国は国内総生産(GDP)と雇用指標が良好な水準に達し、欧州はようやく回復している」と指摘。「アジアは先行きリスクが後退している。中国は過去数年の資本流出や債務問題に絡むリスクを背景に不安定な動きが見られたが、その後比較的安定しているようだ」と述べた。

中国は今年、輸出の上向きや製造業生産および小売売上高の安定した伸びに支えられ、6.5%の成長率目標を大きな問題なく達成すると予想されている。また、政府は債務削減に取り組んでいる。

こうした明るい状況を背景に、中国は企業景況指数の国別サブ指数が75と、第1・四半期の72から上昇した。

日本のサブ指数は83と、第1・四半期の61から急上昇し、過去最高を記録した。2009年の調査開始後8年間の平均は58。日銀は4月、景気判断を「緩やかな拡大に転じつつある」に上方修正し、ここ9年で最も明るい見方を示した。

インドネシアのサブ指数も8ポイント上昇して83と、過去1年余りで最も高い水準となった。消費者信頼感が好調なことや、輸出の伸びが当初予想を上回っていることなどが寄与した。

サブ指数が最も大幅に回復したのは韓国で、第1・四半期から50ポイント上昇の75となった。5月に就任した文在寅大統領は、中国による韓国製品のボイコットにつながった米新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)配備の決定を見直すと表明した。

INSEADのファタス教授は「政局リスクに絡む不透明感が解消した」とし、「前四半期の韓国の経済指標は比較的軟調に見えた。一部の貿易相手国、特に中国との間に潜在的な危機があった」と指摘した。

このほか、インドとタイもサブ指数が上昇したが、オーストラリア、台湾、フィリピンは低下した。シンガポールのサブ指数は62と、国別で最低水準となったが、それでも最も低い国別サブ指数としては調査開始以来の高さだった。

<建設業が楽観的>

今回の調査は6月2日から16日にかけて実施した。回答した101社のうち、56%が今後6カ月の見通しは明るいと回答した。これは過去6年で最も高い割合。中立は37%、暗いとの回答は7%だった。

回答に応じたのは豪APAグループ(APA.AX)、日立製作所(6501.T)、韓国の起亜自動車(000270.KS)、インドのベダンタ (VDAN.NS)、中国東方航空(600115.SS)など。

運輸と物流と同様に回答が最も強気だったのは建設とエンジニアリング部門で、半数の企業が取引高がこの3カ月で伸びだと回答した。

建設とエンジニアリング業界は、5月に中国がシルクロード経済圏構想「一帯一路」の一環としてインフラプロジェクトに約560億ドルの融資を打ち出した恩恵を受ける見込み。

金属と化学は景況感指数の伸びが最も大きく、40から81に急伸した。ヘルスケア、金融、小売りも強気な回答が目立った。

中国のアリババ・グループ・ホールディング(BABA.N)傘下の電子商取引会社、ラザダ・グループのグループ・チーフストラテジー・オフィサー、マグナス・エクボム氏は「東南アジアの電子商取引は今後数年で大きく成長する可能性が大きい。当社は、事業展開する6市場すべてで1億の商品を取り揃える目標の達成に向け準備が進んでいる」と述べた。

不動産と家庭用品・食品・飲料部門は指数が最も低い水準、ハイテクと通信は7ポイント低下の67だった。

タイの通信会社、インタッチ・ホールディングス(INTUCH.BK)は、今年下半期に携帯と固定のブロードバンド事業からポジティブな展開が見込めると指摘。

「全般的に携帯部門の競争に変わりはない。ただ、消費者の行動の変化からデータ通信の需要増で機会が広がるとみている」と述べた。

今後6カ月の見通しで主要なリスクとされたのは、ウーバー・テクノロジーズ [UBER.UL]やエアビーアンドビーなどのシェアリング・プラットフォームに代表される「ディスラプティブ・テクノロジー」。これらは従来の業界リーダーから急速に市場シェアを奪っている。

その他にリスクとされたのは、一貫性を欠く米政権や保護貿易主義。トランプ米大統領は、環太平洋連携協定(TPP)からの脱退を実現したように、保護貿易主義的な政策の追求を明言している。

*調査対象企業は前回調査から変更されている可能性がある。

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