[23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が公表した5月1─2日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、大部分のメンバーが、米経済見通しが維持されれば追加利上げは「近く」正当化される可能性があるとの見方を示していたことが分かった。
市場関係者のコメントは以下のとおり。
●利上げ4回観測高まらず、株押し上げ要因に
<TDアメリトレード(シカゴ)のトレード戦略部門幹部、ショーン・クルーズ氏>
FRBのインフレ認識に多くの関心が集まっていた。2%を1━2回上回る事態を過度に問題視する考えはないようだ。こうした水準を維持できるかを確かめる意向とみられる。
年内利上げが4回行われる可能性は強まっていない。このため、ドルを再び圧迫し、株式相場をやや押し上げている。
●追加利上げ巡る総意形成、6月利上げほぼ確実
<オックスフォード・エコノミクスの米マクロエコノミクス主任、グレゴリー・デイコ氏>
追加利上げを巡るコンセンサスが形成され、かなり近い時期に次回利上げが実施される可能性を示唆した。6月利上げはほぼ確実とみられる。残された疑問は年内の利上げが計3回、もしくは4回のいずれになるかだ。
依然、急いで金利を引き上げる状況ではない。現行の政策はなお緩和的とみられ、成長を支えている。金融政策の道筋は中期的な経済動向に左右される。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は、とりわけエネルギー価格の上昇に伴い、インフレ率がしばらく目標の2%を小幅上回って推移することを想定している。7月には総合インフレが2.3─2.4%近辺、コアインフレが2%に向けて上昇する可能性があり、「シンメトリック(対称的)な目標」を巡る討議が重要となってくる。インフレ上昇が続けば、年内4回の利上げはあり得る。最近のドル高の動きがコアインフレへの圧迫要因となるかどうかを見極める必要もある。
●年内少なくともあと2回の利上げ
<ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の新興国通貨戦略部門グローバル責任者、ウィン・シン氏>
特段目新しいことはなかった。連邦準備理事会(FRB)は年内は少なくともあと2回の利上げを実施するとの見方を裏付けるものだった。
FRBはこの軌道に違和感は持っていない。市場はFRBを信頼しており、実際のところ、市場は今年はFRBよりもタカ派的になっている。このことはドルの上昇が続くことを示唆している。
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