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米雇用統計:識者はこうみる
2017年7月7日 / 14:59 / 4ヶ月後

米雇用統計:識者はこうみる

[ニューヨーク/東京 10日 ロイター] - 米労働省が公表した6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが22万2000人と、5月の15万2000人から加速、市場予想(17万9000人)を上回った。

 7月7日、6月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが22万2000人に加速、市場予想を上回った。写真はロサンゼルスの就職フェア会場で2015年3月撮影(2017年 ロイター/Lucy Nicholson)

労働時間も伸び、雇用市場の底堅さを示すとともに、連邦準備理事会(FRB)が年内3度目の利上げに踏み切り、保有資産の縮小計画を9月に公表する可能性もある。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●米雇用統計で利上げ思惑は変化せず

<クレディ・アグリコル銀行 外国為替部長 斎藤裕司氏>

米6月雇用統計は、雇用者数の伸びが上振れた一方、賃金が伸び悩んで、強弱が入り交じる内容だった。9月のバランスシート縮小開始、12月の利上げという市場の思惑に変化を生じず、ドル/円に強気な見方が増える流れにはならなかった。

一方、日本では政権支持率が続落している。相場への影響はすぐには出ないだろうが注視する必要はある。流れが止まらないとすると、円高材料になりかねない。

今回の世論調査の対象期間は、都議選の流れを受けた一週間で、支持率が上がる材料が見当たらなかった。来月早々にもと報じられる内閣改造後に、持ち直すかどうかが重要になりそうだ。

●賃金圧力欠如は懸念、非正規労働想定より大きい公算

<TDアメリトレード(シカゴ)の首席市場ストラテジスト、JJ・キナハン氏>

意外に感じたことが数点あった。まずヘルスケア部門の雇用の伸びが鈍かったこと。同部門は久しぶりに上位3位以内に入らなかった。一方、小売部門は予想ほど悪くなかった。この2つの部門が今後どうなるのか興味深く見守っている。

賃金圧力がほとんど見られていないことは懸念に値する。賃金上昇がないまま、これだけの雇用の伸びを維持することはできない。このことは何かが統計から漏れている可能性があることを示唆している。そうでなければ、米国の非正規労働の経済「ギグエコノミー」が想定よりも大きくなっている可能性がある。

●インフレ面でやや残念、全般的にかなり良好

<バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(ニューヨーク)の米金利ストラテジスト、シャム・ラジャン氏>

米連邦準備理事会(FRB)が注視するインフレ面でやや残念な内容だったことから、市場の反応は控え目だが、統計は全体的に依然として非常に良好といえる。雇用者数の伸びは堅調で、失業率も上昇したとはいえ、労働参加率の伸びによるもので、悪い上昇ではない。

債券市場はすでにFRBの動きが極めて緩慢になると予想しているが、今回の統計内容はある意味強弱まちまちだったため、これを受けて予想が大きく変わることはないと思われる。

●伸び非常に底堅く、賃金上昇も幾分加速か

<ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの首席投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏>

非農業部門雇用者数の伸びは非常に底堅く、前月分の修正も前向きなものだった。労働市場が実際に減速していると示す内容でない。

賃金もやや上向き、労働市場の引き締まりを改めて示し、賃金(の伸び)も幾分加速するのではないか。(雇用の)伸びは産業全体に広く見受けられ、評価できる。

連邦準備理事会(FRB)は夏の間、現状を維持するとみている。7月末に利上げやバランスシート縮小に着手するような動きに出るとは考えていない。8月に会合はなく、金融政策を再び引き締め始めるのは恐らく9月以降で、今回の統計でこの見通しが変わるとみていない。

●完全雇用は未達、労働市場なお改善の余地

<バンクレート・ドットコムのシニア経済アナリスト、マーク・ハムリック氏>

4月、5月分が上方修正され、6月も雇用は急増し、4─6月は予想よりも好調だったと言える。

ただ賃金が大きく伸びていないことが引き続き懸念材料として挙げられる。6月は時間当たり賃金の伸びは前年比2.5%だった。このことは米経済がまだ完全雇用に達しておらず、 雇用市場にはまだ進展の余地がある可能性があることを示している。

●12月まで利上げなし、現時点ではバランスシートが焦点

<シーポート・グローバル(ニューヨーク)のマネジング・ディレクター、トム・ディガロマ氏>

失業率は上昇したものの、表面上は底堅い結果となった。今回の雇用統計を受け、米連邦準備理事会(FRB)が見方を変えるとは考えていない。今回の結果は予想より若干強かったに過ぎない。

FRBは現時点では金利の変更よりもバランスシート(の縮小)に焦点を置いている。FRBは12月まで金利の変更は行わず、9月のタイムフレームではバランスシートに主眼を置くと考えている。

*内容を追加します。

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