[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が17日に公表した7月26─27日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、今後の利上げペースは入手されるデータ次第になるとの考えが示されていたことが分かった。市場関係者の見方は以下の通り。
●ややハト派的、市場は9月の0.50%利上げに傾く
<コーナーストーン・ウェルスの投資アナリスト、ショーン・バンダジアン氏>
全般的にややハト派的な内容。さまざまな分野における減速について、多くの文言があった。ただ同時に、労働市場の強さに関する言及も盛り込まれていた。
議事要旨は、鈍化が示された7月消費者物価指数(CPI)や、非常に堅調だった7月雇用統計の発表前の会合のものであることを留意する必要がある。
議事要旨の公表後、利回りは一時低下し、株式が上昇する場面もあった。市場が9月の利上げ幅について、75ベーシスポイント(bp)ではなく、50bpに傾いている結果だ。
●疑いなくハト派的、市場も織り込み済み
<コーペイ(トロント)のチーフマーケットストラテジスト、カール・シャモッタ氏>
疑いなくハト派的であり、市場にも既に織り込まれている内容。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7月の記者会見で「利上げペースを落とすのが適切になる可能性が高い」と発言し、投資家が金融引き締めの鈍化を見込むのが正しいことが示唆された。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は、この際の市場の反応を追認するものだ。
●あと3回の会合で利上げ打ち止めか
<オアンダのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏>
FOMC議事要旨は、米連邦準備理事会(FRB)が幾分ハト派的なスタンスに傾いている状況を確認する内容となった。
おそらくあと3回の会合で利上げが実施され、その後は可能な限り金利を安定的に維持する局面に入る可能性がある。
トレーダーの間で、0.75%ポイントの利上げ継続は必要ないという確信が強まっていると考える。
●9月0.50%利上げに道開く、タカ派路線は維持
<スパルタン・キャピタル・セキュリティーズ(ニューヨーク)のチーフ市場エコノミスト、ピーター・カルディリョ氏>
タカ派路線は維持したが、同時に9月の次回会合で決定する利上げの幅を0.75%ポイントではなく、0.50%とすることに道を開いた。
市場では好意的に受け止められたと考えている。
●9月0.75%利上げの確率低下=
<ミラータバク(ボストン)のチーフ市場ストラテジスト、マット・マレイ氏>
9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%ポイントの利上げが決定される確率が幾分か低下したようにみえる。ただ、先週のインフレ指標を受け、そもそも0.75%ポイントの利上げ観測は後退していた。
市場の焦点は急速に来週の「ジャクソンホール会議」に移っている。同会議でのパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の発言が注目されている。
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