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米失業保険申請が最多更新、倍増の665万件:識者はこうみる

[2日 ロイター] - 米労働省が2日発表した3月28日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は664万8000件と、前週の330万7000件(上方改定)から倍増し、2週連続で過去最多を更新した。

米労働省が2日発表した3月28日終了週の新規失業保険申請件数は664万8000件と、前週の330万7000件から倍増し、2週連続で過去最多を更新した。ニューヨークの州労働省ビル前で3月撮影(2019年 ロイター/ANDREW KELLY)

市場関係者のコメントは以下の通り。

●膨大な数字も市場の反応は抑制的

<チャールズ・シュワブのトレーディング・デリバティブ担当バイスプレジデント、ランディー・フレデリック氏>

新規失業保険申請件数は先週の300万超から倍増し、600万件を超える膨大な数字になった。私の当初の予想からはほぼ2倍の大きさだった。

何よりも驚きなのは数字自体ではなく、(現時点の)市場の反応がかなり抑制されていることだ。株式先物の動きは今のボラティリティーや1日の相場変動を考えると、非常に小さいと言える。

数字が非常に大きいため、理解するのが難しいほどだ。

●米経済は突然完全停止、4月雇用統計に全体像

<TDセキュリティーズ(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、ゲンナディー・ゴールドバーグ氏>

かつて見たことのない増加となった。新規失業保険申請件数がこれほどまで膨れ上がっていることは、米経済が突然、完全に停止しつつあることを示している。

通常は悪化は数カ月、もしくは数四半期にわたり徐々に顕在化するが、今回は基本的に1カ月で顕在化した。労働省が明日発表する3月の雇用統計には、おそらく全体像は反映されないだろう。4月の雇用統計にはかなりの影響が出ると予想される。

今回の新規失業保険申請件数に市場がそれほど大きく反応していないのは、数字があまりにも大き過ぎて、影響の度合いを推し量ることもできていないからだろう。

●4―6月期は25%のマイナス成長も

<TDセキュリティーズ(ニューヨーク)の国際金利戦略部長、プリヤ・ミスラ氏>

新規失業保険申請件数は665万件と前週から2倍に膨らみ、当社予想の450万件を上回った。市場は経済指標の悪化を織り込みつつある。経済活動の多くが停止している以上、申請件数の上振れは想定内と言える。

失業率がいったん悪化し始めれば、企業倒産が重しとなって急速な改善は困難となる恐れがある。市場は経済活動の停止がどこまで長引くかに注目している。4―6月期の国内総生産(GDP)は25%のマイナス成長になる見込みだが、大事なのは7―9月期の動向だろう。新型コロナウイルスのピークが焦点だ。

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