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世界的な株高、市場関係者はこうみる

[東京 10日 ロイター] - 米大統領選の不透明感が後退したことに加え、新型コロナウイルスのワクチン開発に期待が高まり、世界的に株高が進んでいる。10日の東京株式市場で日経平均は29年ぶりに2万5000円台を回復した。市場関係者の見方と、今後の予想レンジは以下の通り。

 11月10日 米大統領選の不透明感が後退したことに加え、新型コロナウイルスのワクチン開発に期待が高まり、世界的に株高が進んでいる。写真は東京証券取引所。10月1日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

●超金融緩和継続がすべて 2万4000円はスタート地点

<SBI証券 投資情報部長 鈴木英之氏>

米大統領選挙の結果にかかわらず株価は上昇したとの見方が強くなる中で、新型コロナウイルスワクチンの朗報が材料として加わり、世界同時株高の様相を呈してきた。その背景にあるのは、超金融緩和の継続。

今思えば、2023年まで政策金利を据え置くとした米FOMCのガイダンスがすべてだったようだ。ワクチン開発の進行で経済回復が早まるとの期待が高まる一方、金融緩和が続くとなれば、上値余地が広がって不思議ではない。

日本株について言えば、これまで上値を強力に抑えていた2万4000円というチャート上の節目を更新したことを重くみるべきだろう。「前の高値は次の安値」という相場格言にあるように、2万4000円台は上昇相場のスタート地点になる可能性がある。当面の上値の目標としては、1991年3月以来となる2万7000円を挙げることができる。

今後3カ月間の日経平均予想レンジ:2万4000円─2万7000円

●ハイテク売りは一時的、堅調な業績が下支え

<岩井コスモ証券 投資情報センター長 林卓郎氏>

米政治のリスク後退とワクチン開発への期待で株価は急ピッチで上昇したが、短期急騰で警戒感も生じており、いつ下がってもおかしくない。ただ、足元でのドル/円の落ち着きや堅調な企業業績を踏まえると、日経平均は決して割高ではないのではないか。約29年ぶりの高値水準に突入したことを受け、利益確定で現金化していた分の買い戻しが入り、需給面の安心感も強い。

きょうはバリュー株が買われ、グロース株が売られる展開となっているが、ハイテク株は思いのほか下げ止まっている。米国と比較して出遅れていた側面がプラスに働いているのだろう。加えて、国内では政府のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進もあり、今後も成長の余地はある。ハイテク株の下げは一時的とみる。

今後3カ月間の日経平均予想レンジ:2万4000円─2万6000円

●バイデン氏勝利とワクチン期待で急伸

<仏オストラム・アセット・マネジメント グローバルストラテジスト Axel Botte氏

この1週間、世界の金融市場の鍵を握ったのは米大統領選だ。接戦の末にようやくバイデン氏の勝利が明らかとなるなか、主要株式指数は大きく上昇した。

ドル安はリスク資産高と密接に関連するが、米ドルが足元でユーロ、円、人民元などの主要通貨に対して再び下落基調に転じたことが、株式市場の追い風となっている。

株式相場の上昇は大型株がけん引する形で始まり、米国小型株などは出遅れ気味だった。しかし、新型コロナウイルスのワクチン開発が成功するとの期待は、世界の株式市場にとってまさにゲームチェンジャーとなり、コロナ禍で打撃を受けたセクターのほとんどの株価が急騰している。

●実体経済の下方リスク後退すれば株高継続か

<SMBC信託銀行 投資調査部長 山口真弘氏>

米大統領選について週末にバイデン氏の勝利宣言が伝えられ、インフラ投資や新型コロナウイルスに関する経済対策への期待感が高まり、世界的に株高になっている。さらにワクチン開発のニュースが追い風となった格好だ。だが、ワクチンがどの段階で実用化されて普及するかは分からず、期待先行で株価が上昇している感は否めない。実体経済と金融市場との乖離がより一層広がった。

ワクチンの普及で実体経済の下方リスクが後退すれば、株高は維持されるが、ウイルスの封じ込めにはまだ時間がかかるということになれば、調整の動きが出てくるだろう。今は、株式市場の値動きが軽い状況なので上振れすることも考えられ、投資家心理が強気に傾いた瞬間は、日経平均が2万6000円をつける可能性もあるのではないか。

今後3カ月間の日経平均予想レンジ:2万4000円─2万6000円。

●循環物色繰り返し全体の底上げに

<岡地証券 投資情報室長 森裕恭氏>

新型コロナワクチンへの期待が現実味を帯びてきたことで、株価全体の上昇に弾みがついてきたが、ここで注目したいのは物色動向の変化だ。日米ともに、これまで買われていた「巣ごもり」関連などコロナ禍に対応した銘柄が売られ、バリュー株の上昇が堅調になっている。コロナ克服がテーマとなれば、今までと反対の二極化が目先は続きそうだ。

ただ、テレワークの推進など新しい生活様式など社会構造の変革は、コロナを克服したとしても変わらないだろう。バリュー復権も確かなことだが、これまで相場をリードしてきた米国のハイテク株や国内の「巣ごもり」関連などは、調整が一巡すれば再び物色されるようになり、これらが循環物色を繰り返し全体が底上げされるとみている。

今後3か月間の日経平均予想レンジ:2万4000円─2万7000円

●年明け以降、財政・金融政策の先細りで市場混乱も

<みずほ証券・エクイティ調査部 チーフエコノミスト 小林俊介氏>

世界的な株高の背景には、バイデン氏の勝利宣言による米大統領選の不透明感後退と、昨日に発表された新型コロナウイルスのワクチン開発のニュースがある。米連邦議会上院選については来年1月まで結果が分からない状況だが、それまでにネガティブサプライズが起こる可能性は低いのではないか。年内はユーフォリアのように高値で引けて、年明け以降に現実がみえ、調整が入ることが考えられる。

ワクチン開発に関連して注視しなければならないのは、年明け以降の各国の財政・金融政策対応のテーパリングだ。ワクチンが完成して、株高になり景気回復のメドがたってくると、巨額の財政・金融政策対応で手を引く国が出てくることもあるだろう。特に、日米欧でそうした動きがみられると、マーケットの混乱につながる可能性が高い。

今後3カ月間の日経平均予想レンジ:2万4000円─2万5500円。

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