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米FRB、インフレ目標超えるまで低金利維持:識者はこうみる

[16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は15─16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くことを8対2で決定した。また、インフレ率が「当面、(2%目標を)緩やかに超える」軌道にあると判断するまで、低金利を維持する方針を示した。

米連邦準備理事会(FRB)は15─16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くことを8対2で決定した。ワシントンのFRB本部で2018年7月撮影(2020年 ロイター/LEAH MILLIS)

市場関係者のコメントは以下の通り。

●YCCいつかは実施、現時点では温存=ジャヌス

<ジャヌス・ヘンダーソン・インベストメンツの世界債券部門責任者、ニック・マロウトソス氏>

FOMC声明は予想通りだった。FRBは少なくとも3年は金利を据え置く姿勢を示した。個人的には少なくとも5年は据え置くと予想している。

FRBは長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)にいつかは踏み切ると予想している。ただ現時点ではまだ実施しないとみている。市場のストレスが高まった時に備え、温存しておきたいのだろう。

●利回り曲線スティープ化望む=パイパー

<パイパー・サンドラー(シカゴ)の債券部門責任者、ジャスティオン・ホーゲンドールン氏>

FRBの主要なメッセージは、インフレ率はかなりの長期間にわたり目標とする2%を下回っていたため、目標を超える水準に上昇することを容認するというものだった。

FRBは、イールドカーブがスティープ化し、長期的に一段のインフレが促されることを望んでいると考えている。

●確固たるハト派姿勢、株式の魅力高まる=アルビオン

<アルビオン・フィナンシャルグループの最高投資責任者(CIO)、ジェイソン・ウェア氏>

興味深いのは17人の当局者のうち、13人が2023年に下限のゼロ金利を予想していることだ。ここから読み取れるのは、当局者が予見できる将来にわたり金利をゼロかそれに近い水準で維持することを確約しているということであり、確固たるハト派姿勢が示された。

これは債券市場で金利が得られるのは数年先であることを強調している。米債利回りは変動するだろうが、中期的な視点で理解すべきなのは、FRBなどの中央銀行が債券市場の行方を握っており、結果として、金利は当面低水準にとどまり、株式市場が相対的に魅力的に見えるということだ。

●一段の財政支援呼び掛けで難しい綱渡り

<クイル・インテリジェンス(ダラス)の最高経営責任者(CEO)兼チーフストラテジスト、ダニエル・ディマルティノ氏>

今回のFOMCは11月の大統領選挙前で最後の会合だった。FRBの政策の目標は、信用市場の安定維持であり、トランプ大統領を政治的に支援することではない。市場に調整が入ったとしても、パウエル議長が大統領選前に株式買い入れを容認する公算はかなり低いため、投資家はこのことを認識しておく必要がある。

何らかの失業手当の支給を受けている人が3000万人に達する中、FRBは責務の1つである完全雇用は達成できていないため、パウエル議長は米経済が回復していると発言しながら、議会に対し追加新型コロナウイルス対策法案を可決するよう間接的に働きかけなければならない。

一方で米経済は自立できるほどに力強いと言いながら、他方では米経済は弱すぎるため一段の財政支援が必要と訴えるのは、一筋縄ではいかない。

●物価目標の達成に懐疑的

<ブラックロック(ニューヨーク)の国際債券部最高投資責任者、リック・リーダー氏>

米連邦準備理事会(FRB)は、先月公表した新戦略に基づき、「労働市場の状況が委員会の最大雇用の評価に一致する水準に達し、インフレ率が2%に上昇して当面の間2%をやや超えるような軌道に乗るまで」、政策金利を現行水準にとどめると確約した。

しかし、技術革新や人口高齢化という人口統計学的傾向の方が中銀の政策よりも物価に大きな影響を及ぼすとみられる中で、果たしてインフレ目標が達成できるのか懐疑的だ。

また、物価の押し上げが多くの低・中所得者層にとって良いことかどうかも疑問が残る。物価が上昇すれば可処分所得や生活の質そのものが低下しかねない。本質的に過度のインフレは預金者への課税と同じことだ。

*内容を追加しました。

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