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コラム

コラム:米インテル、次期CEOにかかる重圧と期待感

[ニューヨーク 13日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 自分の退任報道で自社の時価総額が250億ドルも膨らめば、その最高経営責任者(CEO)はつらいに違いない。インテルのロバート・スワンCEOが13日朝に味わったのは、まさにこういう経験だった。2月にVMウェアのパット・ゲルシンガーCEOと交代すると伝わると、同日寄り付きの米株式市場でインテル株は12%急伸。失われた競争力をインテルが取り戻すのではないか、との投資家の期待を反映した形だ。

 1月13日、自分の退任報道で自社の時価総額が250億ドルも膨らめば、その最高経営責任者(CEO)はつらいに違いない。写真はインテルのロゴ。独ハノーバーで2017年3月撮影(2021年 ロイター/Fabian Bimmer)

スワン氏は2018年半ばに暫定CEOに就き、それ以降、インテルを率いてきたが、同社株はセクター内で世界的にアンダーパフォームしてきた。大規模な新製品開発計画の延期、アップルによる、より強力な自社開発半導体への乗り換えなどは、インテルが半導体業界で先駆的な地位を維持できなくなったことを物語っている。

こうした問題に取り組む上で、ゲルシンガー氏は良い人選だ。同氏はインテル初の最高技術責任者(CTO)で、同社に30年間在籍した後、情報ストレージに特化したEMCに転じ、さらにクラウドコンピューティング・ソフトウエアメーカーのVMウェアに移籍した。失われた競争力の回復は「言うはやすく行うは難し」だが、半導体事業の構築に数十年間を費やしてきた人物が経営トップに立てば、支えになるのは間違いない。

一方、「物言う投資家」として知られるダニエル・ローブ氏率いるヘッジファンド、サード・ポイントはインテル株を保有し、昨年12月にインテルに製造部門と設計部門の分離などの経営戦略を検討するよう求めた。この2つの部門は切り離した方が、それぞれに注力できるのではないかという主張だ。

CEOが交代すれば、ローブ氏の主張が通るというものではない。しかし、考え方が刷新される機会は生まれる。ゲルシンガー氏と取締役会がともに荒療治が妥当と考えるなら、分離の道が開かれる可能性はある。

13日の米株式市場の反応は、こうしたさまざまな期待を反映していた。ゲルシンガー氏がCEOを退任するVMウェアは、寄り付きで株価が5%ほど下落。時価総額が30億ドル程度失われた。

株価の動きが映し出したのは、ゲルシンガー氏の方がインテルにずっと高い価値をもたらす可能性か、あるいはスワン氏のリーダーシップが同社にとって「バグ」と化していた実態か──。

いずれにせよ、インテル立て直しの期待は今や次期CEOの双肩にのしかかっている。

●背景となるニュース

*米半導体大手インテルは13日、ロバート・スワン最高経営責任者(CEO)に代わり、クラウドコンピューティング会社、VMウェアのパット・ゲルシンガーCEOが就くと発表した。スワン氏は2月15日に退任する。

*「物言う投資家」として知られるヘッジファンドのサード・ポイントは昨年12月、インテルに対して、半導体の製造部門と設計部門の分離や「一部の失敗した買収案件」の売却など、戦略上の選択肢を検討するよう求めた。

*ゲルシンガー氏は元インテル最高技術責任者(CTO)。インテルに30年間在籍後、EMCを経てVMウェアに移った。

*13日の米株式市場はインテルが12%高、VMウェアが5%安で取引が始まった。終値ベースはインテルが7%高、VMウェアが6.8%安となった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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