May 28, 2018 / 3:15 AM / a month ago

インタビュー:運用業界はグローバルに二極化、独自商品が重要=菅野アセマネOne社長

[東京 28日 ロイター] - みずほフィナンシャル・グループ(8411.T)と第一生命保険(8750.T)の系列資産運用会社が統合した資産運用大手「アセットマネジメントOne」の菅野暁社長は、ロイターとのインタビューで、グローバルな資産運用業界は巨大化と専門化の二極化が進んでいるとし、今後の生き残りと成長のためには、顧客のニーズにあった独自の運用商品をどれだけ提供できるかが重要だとの考えを明らかにした。

 5月28日、みずほフィナンシャル・グループと第一生命保険の系列資産運用会社が統合した資産運用大手「アセットマネジメントOne」の菅野暁社長は、ロイターとのインタビューで、グローバルな資産運用業界は巨大化と専門化の二極化が進んでいるとし、今後の生き残りと成長のためには、顧客のニーズにあった独自の運用商品をどれだけ提供できるかが重要だとの考えを明らかにした。写真は都内で2011年8月撮影(2018年 ロイター/Yuriko Nakao)

菅野社長は、日本の運用会社の特徴として「海外の運用商品を外部委託により国内投資家に提供しているが、今後、日本の運用会社が中抜きされる可能性がある」との危機感を明らかにし、海外の運用会社と「排他的に提携するか、自前で(商品供給を)するかを考える必要がある」と語った。そのうえで成長のためには「顧客のニーズに合わせて、どれだけとがった商品を提供できるかが重要」と語った。

アセマネOneは2016年10月、DIAMアセットマネジメントとみずほ投信投資顧問、新光投信の3社に、みずほ信託銀行の運用部門が統合して発足。運用資産残高(AUM)は3月末で56.6兆円となり、アジア最大規模となる。菅野氏は4月、みずほフィナンシャルグループ副社長から同社社長に転じた。旧日本興業銀行出身だが、株式ファンドマネージャーや旧DIAM企画部長などを歴任するなど、運用ビジネスに明るい。

主な一問一答は以下の通り。

――現在の課題は何か。

「統合によって、すでに2つのことが達成できた。1つは、効率化による経費率の削減だ。もう1つは、プロダクトのラインアップを拡充させ、幅を広げることができた」

「ただし、課題もある。現在の運用商品は、日本株、国内の債券、若干グローバルなものもあるが日本物が中心だ。長引く低金利で、顧客はグローバルやオルタナティブ(非伝統的資産)な運用商品を求めている。われわれのリソースが潤沢にあるところではない。このギャップを埋めるのが1番の課題だ」

「もう1つは、販売先をいかに拡大するかだ。日本の機関投資家の資金がこれからどんどん増えるようなことはない。一方で個人分野も、投信が伸びると言われながらなかなか増えていない。販売先を日本の中だけに限っていていいのかと思う。海外における販路を伸ばす余地が充分あると考えている」

――提供する運用商品と顧客とのニーズのギャップは、どのように埋めるのか。

「日本の運用会社は、グローバルな運用商品を海外の運用会社に外部委託するケースが多い。しかし、この戦略は、いずれ委託先の海外の運用会社が直接に投資家と契約し、われわれが中抜きされるリスクがある。現在の日本の運用会社のビジネスモデルでは起こり得る」

「自分たちが外部委託している先をどう取り込んでいくのか。排他的に提携するのか。あるいは、自前でやるのかを考えていかなければならない。10年後に委託先を失っているだけでなく、顧客のニーズがないようなプロパーの商品しか自前では持っていないというリスクさえある」

――現在はアジア最大のAUM56兆円だが、残高拡大に道筋をどのように考えるか。

「グローバルに資産運用業界は2極化が進んでいる。ブラックロックやバンガードなどはパッシブ運用の残高を積み上げてAUMは数百兆円規模だ。一方で、ニッチな分野のオルタナティブを得意とし、残高は10兆円だがフィーは高いという会社もある」

「しかし、いま、1番経営が苦しいのは真ん中の規模だ。われわれも今のままだと真ん中だ。われわれがやらなければならないのは、残高もある程度取りながら、一方で、できるだけニッチでも競争力のある商品を強化させていくことだ。これを二極化の中でやっていかなければ衰退していく。1番ダメなのはこのまま真ん中にとどまることだ」

――前社長はAUM100兆円を目標に掲げていた。

「100兆円を目指すことそのものに意味はない。100兆にするために一番手っ取り早いのはパッシブの買収だ。しかし、顧客のニーズがパッシブはもういい、オルタナティブなんだとなると、残高は増えないだろう。顧客ニーズに自力で応えるようにならなければ、残高は増えない。顧客のニーズにどれだけとがった商品を提供できるか、そこにどれだけリソースを張れるのかが問われることになる。立ち止まっていたらやられてしまう」

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