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インタビュー:金利上昇で投資家は「バリュー」へ、日本株に優位性=大和証券G社長

 大和証券グループ本社の中田誠司社長はロイターとのインタビューで、世界的な金利上昇を背景に投資家の視線が「グロース」から「バリュー」に移る中、バリュー株的な位置づけをされる日本市場に優位性があるとの見方を示した。写真は2017年、東京都内の同社本社で撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 22日 ロイター] - 大和証券グループ本社の中田誠司社長はロイターとのインタビューで、世界的な金利上昇を背景に投資家の視線が「グロース」から「バリュー」に移る中、バリュー株的な位置づけをされる日本市場に優位性があるとの見方を示した。海外投資家の資金流入は実際に増えており、中田社長は11月に米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が日本の商社株を買い増したことは「潮目の変化」だったとした。

金利の上昇局面は、成長期待の高いグロース株が売られる傾向にある。中田社長は「投資家の目線がグロースからバリューに移りつつある中で、バリューの最たるマーケットは日本。投資先として日本が相対優位性を持っている」と述べた。

東京証券取引所が発表した11月投資部門別売買動向によると、海外投資家は1兆2873億円の買い越し。20年11月以来、2年ぶりの規模となった。

中田社長は、海外投資家の買いが見込まれる背景として、日本企業の堅調な業績、日本の成長率、円安によるドルベースで見た時の割安感、中国からの資金シフトなどを挙げた。IMF(国際通貨基金)による2023年の成長率予測の中で、日本の経済成長率見通しは主要7カ国(G7)で最も高い。

中田社長は、11月にバフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが大手商社株の保有比率を引き上げたことは「ひとつの潮目の変化」と指摘し、海外投資家による日本株買いは増加する可能性が高いとの見通しを示した。

日本は株価純資産倍率(PBR)が1倍を割り込む割安な株が多く、中田社長は「そこは忸怩(じくじ)たる思いがある」とした。「投資の目線が切り替わってくれば、そういうところが買われる」と語った。

また、中田社長は「株主として指摘すべき事項は指摘すべき」と述べた。企業による政策保有株の売却や事業ポートフォリオの見直し、取締役会の多様性を高めることなどを促しているとし、物言う株主と言われるアクティビストの動きは、日本市場に良い影響を与えると評価した。

*インタビューは15日に実施しました。

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