January 30, 2018 / 3:25 AM / a month ago

米為替政策巡り短期的に円高も、日銀は緩和継続を=浜田参与

[東京 30日 ロイター] - 安倍晋三首相のブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一・米イエール大名誉教授はロイターとのインタビューに応じ、米国の為替政策を巡って外国為替市場で短期的に円高が進む可能性があると述べ、日銀が現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を継続して対抗することが重要との認識を示した。

4月に任期満了を迎える黒田東彦日銀総裁の後任人事に関し、黒田氏は雇用情勢の改善など金融政策運営で素晴らしい成果を上げたと述べ、続投も考えられると語った。

インタビューは29日に実施した。

浜田氏は、5年が経過した安倍政権の経済政策である「アベノミクス」について「すべてがうまくいっている。20年間の停滞を破った人は、他にいない」と評価。第1の矢である大規模な金融緩和政策を主導した黒田日銀総裁に対しても、雇用情勢の改善を中心に「金融政策運営で素晴らしい仕事をした」と称賛した。

日銀が目標に掲げる2%の物価安定目標は実現していないが、物価目標は「日本のマクロ経済政策にとっては、失業率の低下や財政再建など他の目標を達成するための2次的なものだ」とし、未達でも「黒田総裁のマイナスにはならない」と語った。

もっとも、目標水準を2%から引き下げた場合、主要国が2%目標を掲げている中では「為替が円高に振れる可能性がある」と述べ、「その意味でインフレターゲットは悪いことではない」と理解を示した。

米政府要人の発言などを受けて、為替相場が乱高下するなど市場は神経質な展開になっているが「短期的には米国の為替政策などで、円高になる可能性がある」とし、日銀は労働市場の強さを維持するためにも、現行のYCC政策の継続で対抗すべきと主張。

さらに円高が進行する場合には「量だけの追加緩和にはあまり効果がなかった上、リスクオフ局面における量の為替市場への効果は弱まっている」との見方を示した。「YCCを駆使したきめ細かい政策対応が必要になってくる」と語った。

変動相場制の下でのこうした対応は「各国が望ましい金利や雇用を求めて行うものであり、決して近隣窮乏化策ではない」と述べ、通貨安競争を助長するものではないとの認識を示した。

黒田日銀総裁の後任人事を巡っても、米国の為替政策が不透明な中で「(金融緩和からの)出口を急ぐ人になれば大変なことになる」と強調。これまでの日銀の金融政策が成果を上げていることを前提に「あなたがスポーツに勝っていれば戦略は変えないだろう。正攻法なら黒田総裁が続投、もしくは彼のようにアベノミクスの支えとなる人を任命すべきだ」と述べた。

日銀総裁の資質として「国際的なスポークスマンとしての度胸も経験も必要だ」と述べるとともに「日銀には優秀な人材が集まっており、頻繁に行外から総裁を迎えるようでは行員の士気が下がってしまう」と指摘した。

今回の人事で日銀出身者が総裁になるかどうか分からないとしながら、今後は「日銀の人が知見と能力を買われて最高指導者になることも求められる」と語った。

伊藤純夫 金子かおり 編集:田巻一彦

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