September 13, 2018 / 9:24 AM / 2 months ago

消費税10%後の議論すべき、教育無償化は誤り=日本総研・西沢氏

[東京 13日 ロイター] - 自民党総裁選で大きな論点になるとみられる社会保障と財政の関係について、日本総研主席研究員の西沢和彦氏は、消費税率10%への引き上げだけでなく、持続可能なシステムを確保するため、10%以降の議論を早期に始めることが必要との見解を示した。

 9月13日、自民党総裁選で大きな論点になるとみられる社会保障と財政の関係について、日本総研主席研究員の西沢和彦氏は、消費税率10%への引き上げだけでなく、持続可能なシステムを確保するため、10%以降の議論を早期に始めることが必要との見解を示した。新宿区で2016年9月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai/File Photo)

また、国民に対してサービスに見合う負担を正面から求め、社会全体の意識改革を図ることが政治の責任と指摘。教育無償化の政策はその方向に逆行し、誤りであると主張した。

西沢氏は、安倍晋三首相が2度にわたって消費税率10%への引き上げを見送ったことについて、超高齢化社会の到来を前に「時間的なロスを生んだことは罪深い」と話す。その上で、税率の引き上げが経済成長を相殺しないよう、税率を毎年1%ずつ引き上げることが望ましいとした。

主なやり取りは以下の通り。

──これまでの安倍政権の政策評価は。

「評価できる部分は、ほとんどない。安倍首相の本来の使命は、2015年10月に消費税率を10%に引き上げた後、20年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化に向け、もう一段の歳入・歳出改革を進めることだったはず。それを2度先送りしたことによって、税収が損なわれただけではなく、20年度に向けた議論が全くできなくなってしまった。時間的なロスは極めて大きく、罪深いものだ」

──超高齢化社会の到来を前に、どう社会保障を維持していくべきか。

「まず、負担水準を上げることが必要だ。上げ切れない部分は給付を削って対応する。赤字国債に大きく依存しながら社会保障給付をしている状況を是正しなければならない」

「負担の面では消費税が中心になるだろう。経済成長を損なわないように、毎年1%上げるぐらいが望ましい。税率は20%でも足りないと思っているが、今後引き上げていく過程では、軽減税率の対象拡大や景気対策の話が浮上する可能性がある。上げた分を使うことになれば、1%当たりの限界的な税収は減ってしまう」

──安倍首相は来年の増税でも、税収の使途を変えて幼児教育の無償化を進める方向だ。

「社会保障に過度に依存しないようにすることが重要で、そういう観点で教育無償化は間違った政策だ。無償化すれば、超過需要を招いて社会保障に無駄な負担がかかるだけでなく、サービスの供給側は疲弊する」

「根本的に政治の発想が間違っている。短期的、表層的な人気獲得につながるかもしれないが、確実に財政と社会保障をむしばんでいる。政府は、国民の社会保障への依存を低減させ、本当に困っている人にだけ手を差し伸べるよう、最低限のセーフティーネットを設けるべきだ」

──政治がなすべきことは。

「国民は、納税に見合ったサービスを受ける、もしくはサービスが納税に見合っていなければ、その質や量の改善を求める主体であるはず。今受けているサービスに対し、当然の負担をするということに国民が気付くよう促すことが政治の責任だ」

梅川崇 編集:田巻一彦

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